マヌカオイルは商品価格だけでなく、その希釈率を確認することが重要


ニュージーランドのマヌカ(マヌーカ)。ティーツリーの近似種となるこの植物は高い抗菌力を持った蜂蜜『マヌカハニー』で有名な植物です。
ティーツリーなどのメラルーカ種の樹木と同様に様々なケモタイプがあり、生育地や生育環境、そして個体差が比較的大きいことが知られています。

エッセンシャルオイルについてはニュージーランド北部のイーストケープ産の個体により高い抗菌成分の含有が知られており、マヌカオイルについてはこの地域で生産されているオイルが主流です。
その優れた品質より世界的に注目を集める一方で、生産量が限られていることから近年引き合いが増え、価格の上昇が顕著になっています。さらに生産の不安定さも相まって、近年、時期によっては入手が極めて困難になることのあるエッセンシャルオイルです。

比較的強い香りがある一方で、漢方薬を思わせる特徴的な香りに対しては好みが分かれます。そのため、芳香を目的とした利用では少し扱いづらいエッセンシャルオイルと言えるでしょう。一方で、10%適度に希釈されたオイルがアトピーなどのスキントラブル対策への利用を目的として流通しているケースが多いようです。
そのため、市場に出回っているオイルの多くは10〜20%程度に希釈された商品となっており、一般的な他のエッセンシャルオイルのように希釈されていない100%ピュアオイルはむしろ珍しい存在になっています。
希釈率も販売価格もメーカー毎に大きく異なることから、商品の選択時には商品価格だけでなく、その希釈率を確認することが重要です。

なお、ティーツリーファームズでは希釈のないピュアマヌカオイルのほかに、アーモンドオイルで希釈した10%希釈オイルを出荷しています。

目立たないけれど仕事がデキる! そんなオイルがコレ


もしかすると皆さんの職場にもいませんか? 普段は口数も少なくあまり目立たないのに、仕事は早くきっちりと正確・・・実は密かに皆に頼られている・・・そんな人。
オーストラリアのアロマの世界で、同じように普段はあまり目立たないけれど仕事がデキる・・・そんなオイルがコスメグレードのマカデミアナッツオイル。化粧品用途のために特別に精製されたキャリアオイルです。

オーストラリアのマッサージオイルのベースとしてほぼ必ず使われるのがこのオイル。街にある気軽に行けるマッサージサロンは当然のこと、リゾートホテルにあるような超高級なスパでも使われているのがこのコスメグレードのマカデミアナッツオイルなのです。
粘性が低いのでベトつきがなく、肌にスッと浸透する感覚。滑りも良くナッツの香りが抑えられているためラベンダーなどのリラクセージョンを演出するエッセンシャルオイルの香りにもほとんど干渉しません。
また、精製により酸化の影響を受けやすい成分が除去されているため、酸化による劣化が進みにくいため、2年を超えるような長期保存にも適します。

マッサージを受けている間はついついラベンダーなどのエッセンシャルオイルの香りに関心がいってしまいますが、目立たずにしっかりと仕事をしているマカデミアナッツオイルの存在にも気づいてあげたいですね。

ティーツリーの「ツンツン」する香りは好き?それとも苦手?


最近、ツンツンする香り成分「シネオール」の含有が多めの香りに少し人気が出始めたようです。
従来まではこの香りが強いティーツリーオイルに対して「薬っぽい」と感じる方が多く、特にアロマ用途では避けられる傾向がありました。また、抗菌用途であっても「シネオール」の含有量が増えることで、それに半比例して抗菌成分「テルピネン4オール」の含有が減少することから、「シネオール」の含有が少ないことがハイグレードなオイルの条件として認知されるようになった経緯があります。

しかし最近になって「シネオール」の香りを「好ましい」とする方の声が増えてきたようで、この成分の含有が多めのティーツリーオイルの人気が徐々に高まってきたようです。「シネオール」の成分はグロブルス種やブルーマリー種などのユーカリオイルに80%以上の割合で多く含まれる成分です。そのためユーカリオイルの香りが好きな方にとっては心地よく感じられる香りです。一方で経験的にユーカリオイルの香りを薬として触れてきた事が多い方にとっては「薬」をイメージさせるものなのでしょう。

現在もより高いグレードのティーツリーオイル(プレミアムグレード)として出荷されているのは「シネオール」の含有が少なく、抗菌成分を多く有するティーツリーオイルですが、こんな私達が常識として理解してきたことも、時間の流れと人々の嗜好の変化で徐々に変わってくるのかもしれません。

ティーツリーオイルが消臭に効果的な理由


市販の除菌・消臭スプレーが人気ですが、水溶化したティーツリーオイルがこの代替になることをご存知ですか?
ティーツリーオイルには優れた消毒・殺菌効果が知られており、これを適度に水溶化・希釈することでこうしたスプレーを自作することが可能になります。ティーツリーの爽やかな香りによって嫌なニオイをカバーする「芳香効果」が期待されますが、実は嫌なニオイ自体を根本から消してしまう「消臭効果」も備えているのです。
こうしたニオイの原因は主に雑菌の増殖によるもの。こうした雑菌の増殖をティーツリーの抗菌力が抑制することでニオイを根本から退治してしまうのです。例えばニオイの気になる靴や靴箱の中、キッチンシンクの下の収納スペースなどにスプレーすることで、こうした効果を時間することができることでしょう。
その効果を確認する方法として、こんな実験も面白いですね。

ティーツリーの抗菌・消臭効果が確認できる、簡単な実験

なお、ティーツリースプレーは『水でうすめてつかえるティーツリーオイル』を飲用水などを使って5〜10倍に希釈し、スプレー容器に移して使うだけですから簡単に作れてしまいます。

久しぶりに開けたティーツリーのボトルの香りに違和感を感じたら


保管していたのを忘れるなど、ティーツリーオイルのボトルをしばらく放置してしまった経験はありませんか?
キャップの内側はベトベトと黄色っぽく汚れたように見え、ドロッパーもどことなく汚れた感じ。そして香りにもスッとした部分が遮られるような、何だか違和感・・・
コレは典型的な酸化による劣化現象。ティーツリーオイルが酸素と結合して劣化してしまった状況です。ただし多くの場合でキャップやドロッパー部分に付着していた部分だけが酸化により極端に劣化してしまっただけで、ボトルに残る大半のオイルについては、まだ大きく劣化が進んでいないというケースが多いようです。
こんな場合、キャップとドロッパーをエタノールなどを利用して洗浄することで元のように利用できるようになります。

しかしこれにも限度があって、開封後、半分ほど使用した後の状態(=ボトル内部に多くの空気・酸素が入っている状態)で数年間に渡って放置されてしまっていたような状態だったなら、内部での酸化も進んでいて独特の違和感に満ちた香りに劣化してしまっていることも。この場合にはこのオイルはもう香りを楽しむ目的で利用することはできないことでしょう。

一方で、このように大きく酸化が進んでしまった場合でも抗菌成分はまだ十分有効です。そのため意外ですが、抗菌目的にはまだ十分利用できます。例えば乳製品のように「中身が腐って内部に雑菌やカビやバクテリアがウヨウヨ増殖中・・・」なんていう事はありません。

涼しくなって、キャリアオイルの容器が凹んできた・・・その理由とは?


プラスチック容器に入ったキャリアオイル。涼しくなって、その容器が凹んできた、そんな体験はありませんか? 特にその容器の容量が大きくなるほどに目立ちます。
しかし、キャップはしっかり閉まっていますから、「蒸発」してしまったわけではなさそうですし、キャップを開封するとスッと空気を吸い込んで、ボトルの凹みは無くなって、元に戻ります。

この理由はオイルの体積膨張が関係しています。オリーブオイルを例にすると、この膨張率はおおよそ0.0007(多くのキャリアオイルがこの数値の近似値です)。温度が1度上がるとこれだけ増加し、下がれば減少する容積です。500mlボトルの場合で製造時の気温が摂氏25度だったと仮定します。気温が10度まで下がると、その容積は以下の計算。
0.0007(膨張率)x15(気温差)x500(容量)= 5.25
つまり5.25ml分だけ容量が小さくなってしまった計算です。中の容積が縮小したので、その分だけボトルが凹むわけです。この状態でキャップを開けると、ボトルが元の形に戻ろうとすることでスッと空気を吸い込み、ボトルの形状が元に戻ります。

この例では温度が下がった事を仮定していますが、もちろん、温度が上がれば逆に容積は増えます(膨張した容積でボトルは炭酸水でも入っているように、固くパンパンに張っていることでしょう)。

表面が凹んだ容器を見ると、中身が蒸発して減った? オイルが劣化して容器がダメージを受けた? こぼれた? などと色々と想像してしまいますが、こんなシンプルな理由ですので、安心してご利用いただきたいと思います。
ちなみにティーツリーファームズでは商品を製造時の気温(通常20度〜25度)で計量しています。

お試しサイズなのに10mlもある理由


ティーツリーファームズのエッセンシャルオイルにはお試しサイズの出荷があります。ただし、そのサイズは10mlボトル。コレって他社様では一般的な商品のサイズと同じなのですが、ティーツリーファームズではお試しサイズ扱いです。
その理由の基本にあるのは、25mlや50m、100mlといった大きな容量の商品を主力にすることで製造コストを下げてお客様にメリットのある商品価格をご提案するため。同時に出荷量が増えることで農園・生産者にとって「取引頻度の高い大口の安定取引先」として認識されることで、より良い価格で優先して品質と鮮度の高いオイルの供給を受けることができるようになりますから、お客様・生産者・当社の3方良し、Win-Win-Winの関係が構築できているからです。

一方であまり名前を聞いたことのないマイナーなエッセンシャルオイルの場合、香りもわからず、いきなり25ml、50mlはちょっと・・・というご意見も頂いていました。そこで他社様では一般的な商品サイズとなる10mlをお試しサイズとして設定しました。10mlもあれば単品としての香りだけでなく、ブレンドなど様々なシーンでの活用方法が見つかるはず。「ちょっと試してみる」だけでは知り得ない魅力を「じっくり試してみる」ことで発見していただけると考えています。

もちろん、ティーツリーファームズの中ではお試しサイズとしていますが、この容量で十分というお客様もいらっしゃるでしょうから、そんなお客様にはこの10mlサイズを商品として積極的にご選択いただきたいと思います。

コレは絶対駄目! ステルス値上げで品質を落としてしまう、本末転倒


ティーツリーファームズの主力商品であるエッセンシャルオイルを含め、近年、大きな物価上昇が続いています。
商品価格を上げずに利益を確保するために内容量を減らす、そんな『ステルス値上げ』と呼ばれる方法ですが、これをグレードのより低い素材に変更することで実現してしまう、そんな商品も最近目に付きませんか?

ブランドとは品質・グレードを約束するためにあるもの。『この会社のこの商品なら信頼に値する』そんな大切なお客様との大切なお約束だとティーツリーファームズは考えています。
創業より既に20年以上も経過し、今ではオーストラリアやニュージーランド産のエッセンシャルオイル、キャリアオイルならティーツリーファームズ一択、と言っていただいていているお客様も多くいらっしゃる中で、商品価格維持のために品質を下げるような行為は本末転倒、明らかなお客様への裏切り行為です。

エネルギー価格上昇に伴う(エッセンシャルオイルの水蒸気蒸留には大きなエネルギーを必要とします)生産者価格の上昇、輸送コストの増大など、取り巻く環境は厳しくなっています。そのため当社でも価格改定も逐次実施させていただいています。しかし、一方で品質の維持と向上には一切妥協しません。

これからも安心して、ティーツリーファームズの商品をご愛用いただくためにも、お客様から寄せていただいている信頼を大切に、質の高いエッセンシャルオイルをフェアな国際価格(それでも、日本の高品質なエッセンシャルオイルブランドさんとの比較では少しお安くなると思います)でお届けします。

猛暑の夏に気になる、ティーツリーオイルの良い保管場所は?


猛暑で日中の気温が40度近くになることが増えましたが、こんな夏に気になるのが、まとめ買いしたティーツリーオイルの保管場所です。
暑さで腐敗してしまうことがないのか心配だという方、どうか安心してください。

・ティーツリーオイルは熱に強い
ティーツリーオイルは水蒸気蒸留法で作られたオイルです。つまり、作られた際には熱かったんです。ということでの成分は熱に強いため、40度程度の暑さでダメージを受ける心配は全くありません。

・ティーツリーオイルの中には雑菌は繁殖できない
強力な抗菌・抗真菌効果で知られるティーツリーオイル。ですからそのオイルの中で雑菌が増殖することはできません。すなわち、雑菌を原因に腐ったり、カビが生えてしまうといった心配は全くありません。

・空気がなければ酸化が進みやすくなることはなく、香りの劣化もない
暑さはオイルの酸化に対して大きく影響を与えることはありません。ボトル内部の空気(酸素の量)をできるだけ少なくするだけで、酸化を最小限に抑制することができます。酸化が進まなければ香りが大きく劣化することもありません。

このように、ティーツリーオイルは猛暑であっても基本的に品質に影響を受けることはほとんどどありません。試しに真夏のオーストラリアの直射日光の当たる環境に1週間ほど放置して品質の変化を確かめる実験を過去に行ったことがありましたが、意外にもコチラもほとんど影響・劣化は見られませんでした。
実験記録・遮光瓶とティーツリーオイルの品質の変化

ということで、猛暑の日本の夏も安心して室温で保管いただいて大丈夫です。
ただしボトルは必ず立てた状態で保管してください。

2022年、大きく値上がりが予想されるエッセンシャルオイルとは?


世界的なインフレ傾向が続く2022年。エッセンシャルオイルもその影響を免れませんが、今回はその中でも特に大きな値上げが進みそうなエッセンシャルオイルについて、その理由とともに予想してみましょう。

予想1.ティーツリーオイル
最大の生産地となるオーストラリア東海岸地域で発生した大水害により多くの有力農園が被災したため、2023年第1四半期頃まで、一時的な生産量の減少によるオイル不足が予想されます。これに加えて大規模な蒸留生産施設が多いティーツリーの場合、これまではその規模を生かして蒸留コストを抑えていたものの、今年は燃料高によるコスト負担の急増で、この転嫁が一気に進む可能性があります。

予想2.レモンマートルオイル
国際標準化機構(ISO)による、エッセンシャルオイルの標準化の制定を受けて、この基準を満たさないオイルの流通が困難になりつつあります。結果、基準を満たすレモンマートルオイルに価格上昇が進んでおり、今度さらなる値上げに繋がる可能性があります。

予想3.レモンティーツリーオイル
ティーツリーオイルと同じく洪水被害による影響が起きているため、2023年までオイルの生産量が大きく減少する可能性があります。

予想4.ラベンダーオイル(タスマニア産)
既にここ数年、毎年生産者価格の上昇改定が続いているため、2023年産の急激な価格上昇はないと予想されますが、燃料高による蒸留コストの転嫁が進むため、例年より生産者価格の上昇幅が大きくなる可能性があります。

このように、エネルギー・燃料価格や物流コストの上昇の影響を受けて値上がりが予想されるエッセンシャルオイル。植物の作柄や生産規模、物流条件などにより、どのオイルも同じように値上がりが進むわけではありませんが、全体としてはやはり値上がり傾向にあることは間違いなさそうです。

こうした値上がりに加えて、アジア各国を中心とした需要の増加もあり日本向けに出荷されるオイルの確保において近年、困難に直面することが目立ってきました。それでも、ティーツリーファームズでは日本のお客様に鮮度の高い良質なオイルをお届けできるよう、これからもより一層の努力をさせていただきますので、ご愛顧とご支援を宜しくお願いします。