それはティーツリーじゃない? 組合に入るか入らないか・・・生産者のエゴが生む歪み


「奴らが作っているのはティーツリーオイルじゃない! 俺たちの組合以外が作っているオイルは全部ユーカリのゴミから作った偽オイルだ!」
地元の新聞の掲載されたこんな激しい中傷。某ティーツリーオイルの生産者組合幹部の発言でした。

事実を知らない一般読者なら信じてしまいそうな内容。記事を読んだ組合から距離を置く、古参のティーツリー生産者は「まだ、こんなことを言っているのか・・・」と困惑の表情です。
一体、どうなっているのか。話はISO(国際標準化機構)によるティーツリーオイルの国際的な品質基準が制定される前まで遡ります。
当時、様々な生産者が様々な木々から「ティーツリーオイル」を生産していました。もちろん、基準が存在しないのですから内容・品質もバラバラ。こんな状況を打開すべく、有力生産者や組合などが中心となって様々な対立を抱えながら生産者間の利害調整を行い、規格が定められたのでした。
この時点で『国際的なティーツリーオイルのルール』が生まれ、基準を満たすオイルが「本物のティーツリーオイル」となったのです。
しかし、様々な感情的なしこりまでは今現在までも解消されていなかったのです。結果、「ティーツリーオイルは自分たちのオイルだ」という思いの強い組合幹部による、非組合生産農家に対する冒頭のエゴ丸出しの、極めて残念な発言につながったのでした。

同じティーツリーの木なのに、それでも毎年変化するティーツリーの香り


周囲の木と比較して、甘い実のなるミカンの木。ほとんどの場合、毎年その木は周囲の木よりも甘い実を実らせます。これは樹木のもつ個体差が理由で、ティーツリーオイルについてもこれと同じように、より高いグレードのオイルが抽出される木からは毎年高いグレードのオイルがつくられます。

ただ、一方でエッセンシャルオイルは植物の成分を濃縮したものですから、その年の作柄が大きく出がちに。雨や日照時間の多さ・少なさ、温度の状況、そしてハーベストの時期(ティーツリーは通年でハーベストが可能な一方、その時期により抽出されるオイルのバランスは時期により大きく変化します)など、様々な要因が違いをもたらします。

結果、化学的な成分分析の上では例年通りに変わらず高い品質ではあるものの、成分構成の微妙なバランスの変化により、その香りは毎年一定ではなく、時として大きな違いさえも生じさせることがあるのです。

メラルーカオイルとティーツリーオイルは同じものなのか? 一般的にはYES しかし専門家的にはNO!


「メラルーカオイル」と「ティーツリーオイル」は違うのか、そんなご質問を何度か過去にいただきました。今回はこんなご質問への回答です。

結論から言いますと、このようなご質問を頂いたお客様が意図されている「メラルーカオイル」と「ティーツリーオイル」は、ほとんどの場合で同じものを指しています。
大手のネットワークビジネス(マルチレベルマーケティング)の会社さんがティーツリーオイルをその学名の一部を抜き出して「メラルーカオイル」と表示して販売したことから、こうしたネットワークビジネスを通じて過去にティーツリーオイルを入手されたお客様の多くで、「ティーツリーオイル」ではなく「メラルーカオイル」としてこのオイルの名称を認識されたことがその理由にようです。この場合、双方とも「Melaleuca alternifolia」のエッセンシャルオイルを指しています。

ではメラルーカオイルとは必ずティーツリーオイルのことを指し示すのか・・・。一般的にはYESと言って良いかと思います。ただし専門家的にはNO。何故ならMelaleuca alternifolia以外の、他のメラルーカ種の樹木よりもエッセンシャルオイルが抽出されているから。たとえばニアウリやロザリーナ(ラベンダーティーツリー)ネロリーナなどが挙げられます。
そのため、ネットワークビジネス関係者やそのお客さんの世界では「メラルーカオイル」と呼ばれることはあっても、私たちエッセンシャルオイルの専門家の間では「メラルーカオイル」とは呼ばれることはりません。

ティーツリーオイル・エクストラクトはエッセンシャルオイルなのか


ティーツリーオイル・エクストラクトはティーツリーオイルを特殊な条件下で2度目の蒸留をして抽出される二次蒸留オイルです。
溶剤などの薬品を加えて抽出したわけではなく、水蒸気だけを使って温度や圧力、そしてタイミングを調整して抽出した、れっきとしたエッセンシャルオイルです。

水蒸気蒸留のエッセンシャルオイルといえば、植物の成分を水蒸気とともにそのまま全部集めたものと思われがちですが、実際には蒸留の全行程のうち、好ましい成分が気化するタイミングを計って収集の調整していることをご存知でしょうか?
こうしてエッセンシャルオイルは技術の進歩とともに、今も進化し続けているのです。

大好きな香りにティーツリー並みの抗菌効果を追加する簡単な方法


ディフューザーを使ってお部屋に大好きな香りを使っている方も多いのでは。こうした香りの演出は特に来客のある時などの空間の演出には素敵ですよね。
でも香りだけでじゃもったいない! 同時に空間のお手入れ・抗菌の実現してみませんか。

使用するのはティーツリーオイル・エクストラクト。微香性ながら、ティーツリーの抗菌成分を約3倍に濃縮した特別なエッセンシャルオイルです。
ブレンドの割合はお好みの香り7に対してティーツリーオイル・エクストラクト3の割合。これをディフューザーなどで拡散すれば、ティーツリーオイル並みの高い抗菌力で、香りを楽しみながら同時に空間のお手入れが可能に。
香りを機能的に活用して素敵な空間をさり気なく、より一層魅力的なものにしてみませんか?

エッセンシャルオイルの根拠のない安さに潜む怖さとは


安さで商品を選ぶ・・・根拠のある価格の中であれば賢い選択ですが、そうでなければ・・・ちょっと怖い話。

ティーツリーファームズにも時折、出処も生産年もわからない、そんなエッセンシャルオイルの売り込みがあります。提示される価格は一般的な生産者価格を大きく下回る、驚くほどに激安。しかし、当社ではこういった売り込み先と取引を行うことは絶対にありません。
もし仮に、こんな商品を仕入れたなら、簡単に激安商品の出来上がり・・・。しかし、本名も出生地も、そして生年月日さえもわからない、さらに添加物が入っている可能性さえある、そんな身元不明のエッセンシャルオイルに品質や安全性をお約束することはできません。

数年前に激安ローズオイルの売り込みを受けた科学者の友人。試しに少量を購入して解析してみたところ「ローズの成分なんて1ミリも出なかったね。化学合成した100%の偽物だったよ」。

当社を含めて善良なメーカー各社は、より高い品質を維持しながら、生産コストを下げて利益率を高め、そして同時に市場における価格的優位性やブランド力を高められるよう大きな努力しています。品質を犠牲にしない安さはこのようなメーカーの努力より生み出されてくるものです。
商品選びにあたって、どうしても「価格比較」を優先してしまいがちですが、生産者価格さえ大きく下回ってしまう根拠のない極端な安さは誰かが・・・主に購入されるお客様自身がその安さゆえの犠牲になっている・・・ただ安さだけで商品を選ぶ事にはこんなリスクも隠れているのです。

※画像はティーツリーの葉。良質なエッセンシャルオイルが作られる作物の生産には必ず一定のコストがかかり、理由なくこれを下回る価格で良質なオイルが流通することはありません。

精油の値段 大きなボトルの方が小さなボトルより大きく割安になる理由


たとえばティーツリーファームズのティーツリーオイルの価格。100mlボトルが3,200円なら、50mlボトルはその半額の1,600円、25mlならさらにその半額の800円、10mlなら320円になりそうなのですが、実際にはそうなりません。その理由はなんとなくご理解いただいているとは思いますが、今回はメーカーとしての立場より詳しくご説明しましょう。

オイルの量が半分になれば、オイル分の生産コストは半分になる・・・ボトルの中身に限ってはこれは正しい認識です。しかし一方で容器となるガラスボトル。実は100mlボトル50mlボトルも、そして25mlボトルについても、ボトル自体に大きな価格差はありません。むしろ100mlボトルなどと比較して汎用性の低く生産量の限られる25mlボトルの方が割高なくらい。キャップについてはどれも共通ですので価格差はなし。

そしてその他の生産コスト。ボトリングにかかる時間コストは100mlも25mlもほとんど変わらない上、ラベルなどパッケージングにかかる時間もほぼ同等。つまり大きなボトルも小さなボトルも同じだけの時間生産コストがかかります。
これらを積み上げていくと、結果、容量あたりのオイルを除く生産コスト単価で100mlボトル1本に対して50mlボトル2本なら2倍、25mlボトル4本なら4倍も割高になってしまうのです。10mlなら10倍・・・

一般的な他社エッセンシャルオイルメーカーさんが10mlボトルで商品販売されている中、ティーツリーファームズのエッセンシャルオイルが最小で25mlボトル、多くの場合で50mlボトル、100mlボトルという大容量になっているのは、より大きな容量を採用することで、お手軽な商品価格を実現させていただく工夫の一つなのです。

即効性! ティーツリーオイルが花粉症対策で注目を集めた時期がありました


もう10年以上前になるでしょうか、とある日本のテレビ番組でティーツリーオイルによる花粉症への対処療法のスタジオ実験が行われ、放送されました。
実験はシンプルなもので、花粉を撒いたスタジオ内での花粉症の症状に対して、ティーツリーオイルを数滴ドロップしたハンカチ(?)を口元に当てて呼吸し、その効果を確認する、といった単純な内容だったと記憶しています。

そして、ティーツリーオイルの持つ即効性により、多くの方の症状が即時に緩和された、という結果が伝えられました。
今では既に忘れられてしまっているかもしれませんが、オーストラリアではティーツリーオイルの活用方法の一つとしては広く知られているもの。
花粉やダストアレルギーなどでのつらい時期、もしお手元にティーツリーのボトルがあればお試しになってはいかがでしょうか。

最小でキロ単位? ティーツリーオイルが日本に初めて紹介された頃の話


日本にティーツリーオイルを売りたいんだ・・・2000年代の初頭、ティーツリーファームズではそんな売り込みの相談を様々な農園さんより受けていました。

「具体的には誰にどれだけ売りたいの?」
そんな質問に対して農園担当者の答えはほぼいつも同じで「誰でも良いから、持っている在庫を買ってくれれば良いんだ。取引はキロ単位だね。小さいのは面倒だから勘弁。。。」

当時、ティーツリーファームズでは徐々に日本向けのティーツリーオイル出荷量は増えていましたが、それでもまだまだティーツリーオイルは日本では無名な存在。売り込みに行ってもお茶のオイルと間違えられるような時代に、いきなり数十キロ単位で取引が成り立つはずがありません。
かくして、多くの農園や企業が日本向けの販売より脱落してゆきました。

こんな歴史があり、現在、ティーツリーオイルの小売マーケットにおいて、日本をはじめ世界各国ではアメリカなど、オーストラリア以外の企業の商品が広く販売されることになってしまいました。

ティーツリーファームズはオーストラリアの会社なので、ちょっと残念です。

「ティーツリー」がまだ「ティーツリー」と呼ばれていなかった頃


ネットでティーツリーオイルの情報を探していると、「ティートリー」や「ティートゥリー」などと言った表現を見かけることが多いかと思います。

実はティーツリーファームズが創業した1999年当時。ほとんどのネットや書籍媒体ではティーツリーではなく「ティートゥリー」や「ティートリー」などと紹介されていました。
しかし、「ティートゥリー」はパソコンのキーからはかなりタイプしにくく、一方の「ティートリー」では木のことを指して「トリー」とカタカナでスペルされることはほとんどありませんでしたので、かなりの違和感。

そこで当時の創業スタッフが採用したカタカナ名がティーツリー。「クリスマス・ツリー」のスペルがヒントです。そして時間がかかりましたが、現在ではウイキペディアなどを含めてティーツリーが日本語の一般的な表現として定着するようになりました。
当社のカタカナ名称が創業当初から「ティーツリーファームズ」なのも、もちろんこれが理由です。

もちろん、当時より当社以外にもティーツリーと表現していた方もありましたので、ティーツリーファームズだけの功績ではありませんが、ティーツリーオイル専業メーカーとして2000年代初頭より、日本ではほとんど知られていなかったティーツリーオイルをネットや数々の書籍媒体で当社が大きく紹介させていただいたことの影響も少なくはないのでは・・・と、ちょっぴりだけ自負しています。