キレイな畑とオイルの品質の関係

あのティーツリー畑、汚いよね・・・
あれはちょっとマズいよね・・・
そんな私たちの会話が指すのは畑の中の雑草の有無。

ティーツリーはそのハーベストの際、この画像のように根本からバッサリと刈りとられ、エッセンシャルオイルが作られます。
野菜の畑なら雑草が野菜と一緒に出荷されることなどはないのでしょうが、ティーツリーの場合、刈り取ったティーツリーがそのまま蒸留器に入れられてしまいますから、雑草がたくさん混ざった「汚い畑」からできるのは雑草の成分が混ざったエッセンシャルオイルになってしまい、当然その品質に影響が出てしまいます。

一方でこれだけ広大な畑で雑草を除去しながらキレイな畑を維持することは大変な作業です。畑に牛やカモを入れて雑草を食べさせながら「除草」する農園さんもあったりと、皆さん、様々な工夫をしています。

ティーツリーオイルにはグレード・品質によってその生産者価格、そして店頭販売価格に大きな差がありますが、この差はこんな地道な農作業の結果、生まれてくるのです。

良質なキャリアオイルが引き立てる、エッセンシャルオイルの魅力


エッセンシャルオイルの希釈に用いられるのがキャリアオイル。エッセンシャルが揮発性のオイルであるのに対して、キャリアオイルは不揮発性のオイルである、という違いがあります。
こう表現すると何やら難しいようですが、オリーブオイルやごま油、天ぷら油なども不揮発性のオイルですのでキャリアオイルと同じカテゴリーに分類できます。

それならば「市販の食用サラダオイルやオリーブオイルでエッセンシャルオイルの希釈ができるのか?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。答えは可。しかし食用オイルは粘性が高くベトベトしている上、独特の臭いも強いので、マッサージオイルやアロマバスでの利用などには適しません。

アロマ用のキャリアオイルは食用のオイルとは異なりベトベト感や独特のニオイを抑え、かつ肌への使用を前提として肌に適した成分で構成されています。つまり食用のオイルとは全く異なります。この違いは市販の食用マカデミアナッツオイルと、Tea Tree Farmsで出荷しているコスメティックグレードのマカデミアナッツオイルを比較してみるとすぐにお分かりいただけることでしょう。

品質の良いキャリアオイルを選択すべき理由は他にもあります。たとえばマッサージオイルを作る場合、エッセンシャルオイルの濃度が1〜2%として、残り全てはキャリアオイルです。せっかく品質の良いエッセンシャルオイルを使っても、キャリアオイルの品質が悪ければ全てが台無し、ということになってしまうワケです。

一度に多量に使うキャリアオイルですからまとめて安く購入したいものですが、気をつけたいのが「酸化」です。キャリアオイルの種類によっては酸化が進みやすく、長期保存に適さないものもあります。こういった種類のオイルは「まとめ買い」には適しません。

Tea Tree Farmsではオーストラリア産のホホバオイルとコスメグレードのマカデミアナッツオイルアーモンドオイルを取り扱っています。これらは共に成分が安定しており、酸化しにくいオイルとして知られています。共に3年以上、常温で長期間保存する事が可能です。長期に保存が必要になる「まとめ買い」をする場合にはこのように酸化に強いオイルを選択する事をお勧めします。
ちなみに、オーガニックで無濾過のオリーブオイルも出荷していますが、こちらはご購入後1年以内に使い切っていただくことをお勧めします。

良質のエッセンシャルオイルを揃えたなら、キャリアオイルの品質にもこだわってみませんか。

あれっ?歯ブラシが壊れちゃった!・・・ティーツリーを使った歯磨きで気をつけたいこと


今回はスタッフ自身の体験談です。
歯肉炎が気になり、ティーツリーオイルを使った歯磨きを始めました。ティーツリーオイル配合の練り歯磨きを使うのが通常なのでしょうが、面倒だったことと、実験がてら歯ブラシに市販の練歯磨きとピュアなティーツリーオイル1滴をドロップして使用しました。

初日、2日目、3日目と順調に、口の中もスッキリして快適だったのですが、1週間を過ぎた頃から歯磨きの際に何やら異物が。これは抜けた歯ブラシの毛でした。そう、ティーツリーオイルの成分がスチロール製の歯ブラシの軸を溶解してしまい、そこからブラシの毛が抜けるようになってしまったのです。それでもしばらく使い続けていましたが、10日目ぐらいになると、多量のブラシの毛が一気に抜け出て、口の中がもう「毛だらけ」で大変なことに。。。
歯肉炎には確かに効果があったようで、口の中はスッキリしましたが、歯ブラシを壊してしまうという副作用を経験することとなってしまいました。
以降はティーツリーオイルの20%希釈オイルを使用することで、歯ブラシを壊すことなく、ティーツリーオイルを歯磨きで使っています。

オーストラリア産の「マヌカ」が引き起こした論争・・・精油ではなく蜂蜜の話ですが。


ティーツリーオイルと同様に高い抗菌効果で知られるのがマヌカ。ちょっと『個性的』な香りがしますので、香りを楽しむアロマ用途では使いにくいですが、人気のある商品の1つです。

ティーツリーファームズにはニュージーランドのマヌカ生産農園さんから直接入荷しています。

ということで、マヌカと言えばニュージーランド、というのが一般的な認識になっていましたが、最近オーストラリアでも生産が始まり、ちょっとした論争になっています。ただ、生産されているのはオイルではなく蜂蜜。
胃炎や胃がんの原因とされるピロリ菌への効果があるということで、日本でも人気のある、あの「マヌカハニー」です。

マヌカの木自体はニュージーランドだけでなく、オーストラリアにも「ジェリーブッシュ」という名前で自生しています。そして蜂蜜も生産されていました。
簡単に説明すると、このオーストラリア産の「ジェリーブッシュ」を「マヌカ」と呼び変えてオーストラリア産マヌカハニーの出荷を始めたのに対して、ニュージーランド側がマヌカハニーの国際商標登録を申請し、『商標侵害』とクレームを出している状態・・・
現状はオーストラリアでは普通にスーパーマーケットで「オーストラリア産・マヌカハニー」が購入できる状態です。

ハニーと比較するとオイルの生産量や市場規模とても小さなものですが、もしマヌカオイルの生産がオーストラリアで始まったとしたらどうなるのか、かなり気になります。

希釈されたティーツリーオイルを選ぶ理由


ティーツリーオイルに関しては、ティーツリーファームズにもピュアオイル3種のほか、20%希釈オイル3%希釈オイル、15%希釈の水溶液(水でうすめてつかえるティーツリーオイル)など、様々な種類の商品があります。

もちろん用途によってそれぞれに最適な商品があるのですが、今回はこの中で希釈されたティーツリーオイルを選ぶ理由についてお話をさせていただきましょう。

ティーツリーオイルは優れた抗菌効果があり、傷口の消毒や水虫退治、ニキビ対策などでも多用される一方で、希釈しないままに使用しますと体質によっては発赤や湿疹の原因となることが知られています。ただ、一般的にはその濃度が15〜20%であれば、こうしたトラブルは起きにくいと知られており、また抗菌用途としても十分な効果が期待できる濃度であることから、他社商品も含めてこの割合の前後で希釈された商品が一般的となっています。

こうした希釈オイルを最も安価に入手できるのはティーツリーのピュアオイルを購入して自分で希釈する方法。しかし、計量が必要なほか、希釈に適した、品質の高いキャリアオイルを入手する事が必要になるため、この分野に詳しい方にしかお勧めできません。
そのため、予めティーツリーオイルの希釈に適した、品質の高いキャリアオイルを使って作られた「20%希釈オイル」が便利な選択肢となるのです。
なお、「3%希釈オイル」はペット用(ただし、猫には使えません)です。傷口などの殺菌目的の用途を想定していますが、同時に体を舐めることにより、ティーツリーオイルの成分がペットの体内に取り込まれた場合においての安全性を考慮して、低濃度に希釈されています。

オーストラリアで起きたトラブルから学ぶ・・・エッセンシャルオイルを利用する際は適量を!

オーストラリアのある老人医療施設での出来事でした。ケアマネージャーの方がお風呂の湯船に入れたのはティーツリーのピュアオイル。
ティーツリーオイルには殺菌効果と共にスキンケア効果があると聞いたこのケアマネージャーは利用者の皆さんに喜んでもらおうと、ティーツリーオイルを使用したのでした。

通常、お風呂に入れるオイルの量は1〜2滴。しかしエッセンシャルオイルに対する知識の乏しかったケアマネージャーは「たくさん入れれば、より効果があるのではないか」と誤解し、数十滴に相当する量を入れてしまいます。結果、オイルはお湯に溶けませんから、湯面に浮かんだ多量のティーツリーのピュアオイルが直接肌に付着し、強い刺激と共に発赤や湿疹などのスキントラブルを引き起こしてしまいました。

別のケースになりますが、アタマジラミの駆除と予防のために朝晩、ティーツリーのピュアオイルを希釈しないまま毎日、子供の髪に塗布したケースがありました。この子供の場合、確かにアタマジラミの問題からは逃れる事ができましたが、髪はいつも荒れて枝毛や切れ毛が絶えない様子でした。

これらの事例を通じてご理解いただきたいことは、ティーツリーオイルにはスキンケア、ヘアケア効果がありますが、適量を超えて使用すると逆に作用する事があるということです。これはティーツリーに限らず、ラベンダーオイルにおいて多量に利用することによりかえって不眠症に陥るリスクがあるなど、他のエッセンシャルオイルにも共通で言えることです。
「たくさん利用すると、より高い効果がある」と考えがちですが、実際には適量の利用が一番効果的なのです。

ユーカリ・シュタイゲリアナオイル・・・いい意味で「期待を裏切る」香り

ユーカリ シュタイゲリアナオイル エッセンシャルオイル

ユーカリ シュタイゲリアナオイル エッセンシャルオイルユーカリ・シュタイゲリアナ。生産量・出荷量ともに少ないため、香りをご存じの方は少ないのではないでしょうか。
ユーカリって独特の香りがあって・・・と思われている中で、その期待を良い意味で裏切るのがこのシュタイゲリアナ種のオイルです。

シュタイゲリアナ種のオイルには、グロブルス種など一般的に「ユーカリオイル」の名で知られるオイルが抽出されるユーカリの場合、そのオイルの中に70〜80%程を占める1,8シネオールという成分が2〜3%程度しか含まれていません。少しエッセンシャルオイルについてご存知の方なら、この数値の違いだけで香りに大きな違いがあることを想像していただける事でしょう。

香りはレモン系の香りですが、レモンユーカリ(シトリオドーラ種)とも大きく異なり、控えめで穏やかな香り。少しウッディーな「はちみつレモンに似た香り」です。
リラックス効果が期待できますのでお部屋の芳香やお風呂での芳香浴、マッサージオイルへのブレンドにも適しています。加えてティーツリーほど強力ではありませんが、除菌・殺菌効果も期待できます。
レモンマートルレモンティーツリーでは香りにパワーがありすぎ、ブレンドに使いづらい、といった場合にはお勧めです。
シュタイゲリアナ種のオイルは知名度こそありませんが、お求めになられたお客様の満足度が高いオイルです。

【即効性】花粉でグズグズしたら「ティーツリーオイル」でスッキリさせよう!


少し寒さが緩み、インフルエンザや風邪が落ち着いてくるとやって来る、厄介なのが「花粉症」。マスクが欠かせないという方も多いのではないでしょうか。

いろいろな薬も販売されていますが、ティーツリーオイルを日頃愛用されているなら、このオイルの効果を活用しない手はありません!

実はティーツリーオイルには花粉症で現れるグズグズした症状を瞬時に緩和してくれる効果があるのです。使い方は簡単。ティッシュやコットンなどに1〜2滴ティーツリーオイルをドロップして、口元や鼻に当てて吸引するだけ。勢い良く吸い込むとむせてしまいますので、ゆっくりと使うのがコツ。

さらにマスクのガーゼの間に挟んでおく方法も。ただしこのときにはティーツリーオイルが直接肌に触れないように(長時間、肌に触れると発赤や湿疹の原因になることがありますので)、十分に気をつける必要があります。

また、酸化で著しく香りの劣化した古いティーツリーオイルを使用すると逆に気持ち悪くなってしまうことがありますので、新鮮なオイルを使ってください。

とっても素敵で幻想的・・・ティーツリーの原生林に囲まれた紅茶色の湖


初めて見たときの感想はただただ「驚き」。広大な湖の水が全てこんな紅茶色なのですから。。。

オーストラリア東海岸。ティーツリーの故郷となるこの地域の海岸沿いに広がるのがティーツリーをはじめとした、メラルーカ種の樹木の原生林です。そしてこうした原生林から樹木の成分を染み込ませて流れ出てくる水はこんな紅茶色をしているのです。
画像はこうしたティーツリー湖の一つとして知られるNSW州、レノックスヘッドにあるエインズワース湖の様子です。海に隣接するこの湖もその周囲を原生林に囲まれ、その水は紅茶色。海に隣接しているものの、淡水で小魚や鴨も泳いでいました。


この水、少し口に含むと紅茶とまではいいませんが、わずかに木の香りが。
地元ではここで泳ぐと肌がツルツル、髪はサラサラになることが知られていています。メラルーカ種の木々から抽出されるエッセンシャルオイルにはスキンケアやヘアケア効果があるものが多く知られていますが、水に溶け出た樹液にもこのような効果があるのは不思議な反面、納得できてしまう効果だと思いませんか?

このエインズワース湖。ティーツリー湖として知られているものの、周囲を囲むのはニアウリなどの木が目立ちます。しかし、オーストラリアではティーツリーオイルが抽出されるティーツリーの木以外に、ニアウリなどのメラルーカ種の木々を含めて、その全てをティーツリーと呼ぶのが一般的。なのでその周囲を「ティーツリーオイルが採れるティーツリーの木」だけで囲まれている湖ではありませんで、この点は誤解しないでください。


そしてこのような湖はこのエインズワース湖だけではなく、この地域より南北数百キロの地域に広く点在しています。どこも、同じようにメラルーカ種の植物を中心とした原生林に囲まれ、ワラビーやカンガルー、エミューなどの野生動物がその周囲に暮らしています。
こんな不思議で素敵な湖が見られる場所。
ここがティーツリーオイルが作られているオーストラリアのティーツリーの故郷の光景です。

それってアロマ用じゃないっ! ティーツリーの香りに「好き」「嫌い」と意見が分かれる原因を考える


ティーツリーの香りに対して「緑の澄んだ香りがして大好き!」という方がいらっしゃる一方で「ツンツンと薬っぽい香りが苦手」というご意見もあり、好き嫌いが分れる精油、などと思われたりしていますが、この原因は意外なところにありました。
一方はアロマ用のグレードを、もう一方はお掃除などで使用する日用品グレードの香りを「ティーツリーの香り」と、一括りにして理解していたからなのです。

ティーツリーオイルは他の精油と違って日用品用途が広いため、様々なグレードのオイルが流通していています。たとえばオーストラリアのスーパーマーケットで販売されているティーツリーオイルは、ツンツンする刺激成分の含有が多いものの、お掃除などの日用品用途であれば十分な品質です(そのため、日本に輸入されたものが高品質オイルなどと書かれて販売されていますが、これは日用品用途グレードの中で比較すれば高品質という意味であり、アロマセラピーで使用される、ティーツリーオイルとしてより高いグレードであることと示すものではありません)。

一方で、香りを楽しむような繊細な用途のティーツリーオイル(プレミアムグレード)は刺激成分含有が少なく抑えられ、香りが全く違います。刺激成分の割合が抑えられることで穏やかな森林を思わせる香りとなり、さらに相対的に抗菌成分の含有量が増えますので、抗菌力は日用品グレードを凌ぐ品質になります。
世界中のアロマテラピー用エッセンシャルオイルメーカーがティーツリーオイルとして自社商品に採用するのがこのプレミアムグレードか、それ以上の品質のティーツリーオイルであり、日用品グレードのオイルが採用される事は絶対にありません。

こんな事実を知らずに、ただ「ティーツリーオイル」という名称だけで判断してしまうなら結果、冒頭の「好き・嫌い」といった、そもそも比較対象が根本的に異なっている2種類のオイルを同じ机上で議論するような、全く無意味な議論になってしまいます。

ティーツリーオイルの香りが嫌いというアナタ、もしかして間違って「お掃除用のティーツリーオイル」をアロマで使っていたりしませんか?