ペットボトル容器にエッセンシャルオイルを配合した液体を保管するときに気をつけたいこととは

ティーツリーラベンダー、ユーカリなどのエッセンシャルオイルは一部のプラスチック・樹脂を腐食・劣化させてしまいます。
しかし意外にも、ペットボトルの素材となるPET樹脂はこれらのオイルの腐食の影響を受けません。

自作のエッセンシャルオイルスプレーを作ったMさん。ペットボトル容器に入れてこれを保管することに。ボトルを立てて保管していればおそらく問題はなかったのでしょうが・・・
数日後にはボトルから液体がこぼれ出てしまいました。
原因はキャップ。ボトル自体はオイルによる腐食の影響を受けませんでしたが、内側にスポンジ状のパッキンが貼られていたキャップはオイルの影響を受けて、パッキンとこれを固定する糊が溶解してしまい、キャップが緩んだ状態に。そして隙間から液体が漏れ出てしまいました。

このケースから学べることは、エッセンシャルオイルを配合したこうした液体のペットボトルでの保管の際にはボトルを立てて保管する必要があるということ。そしてキャップの素材にも気を配る必要があるということ。たとえば今回の場合では、キャップの内側にアルミホイルを挟み込むことでキャップ内部の劣化を抑制することができます。
ペットボトルの再利用にはキャップにも気を使って、上手に活用してくださいね。

失敗談・ティーツリークリームを作ろうと、市販のクリームと混ぜた結果・・・

今回は失敗談を一つご紹介しましょう。
作ろうとしたのはティーツリーオイル配合のクリーム。市販のスキンクリームにはある程度の乳化剤が含まれていると勝手に想像して、そのまま混ぜ合わせて自作してみることに。
この時、用意したのはピュアなティーツリーオイルと青い容器に入っているニベアのスキンクリームでした。
これらを重量を基準にしてティーツリーオイルの濃度が1%程度になるように計量してニベアクリームの中にいれて、しっかりと混ぜ合わせました。

混ぜ合わせた当初はティーツリーの香りのするクリームが完成して、とってもいい感じの仕上がりでした。しかし、すぐに異変が! 3日間ほど置いておくと、容器の中に茶色い水滴状のものが浮き上がってきます・・・どうやらオイルがクリームと分離してきたみたい・・・それもクリームの成分の一部を溶解分離させて、変質している感じ。
再び混ぜ合わせると、茶色っぽいクリームになりましたが、すぐにまた分離してしまいます。香りも極端に劣化・変化してしまい、すっかり当初の心地よさが失われてしまいまい、結局、捨ててしまうことに。

ただ単純にオイルとスキンクリームを混ぜ合わせてもティーツリースキンクリームは作れませんでした、という失敗談でした。(今回の失敗談においては、ニベアさんのクリームになんら問題があるわけではありませんので、念のため付け加えさせていただきます。)

ティーツリーファームズのLINE【公式】アカウント

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【レシピ】スキンケア用のマヌカオイルの作り方


ニュージーランド産のマヌカオイル。最も一般的に活用されているのはアーモンドオイルを使って希釈したものです。その理由はティーツリーオイルと同じで、希釈したものでも十分な抗菌効果があるから。むしろ希釈しないままだと強すぎて逆効果になってしまうことも。

そこで今回のテーマは希釈マヌカオイルの自作です。
マヌカオイルですが、10%程度への希釈が一般的。そして希釈されたオイルを購入するより、自分で作ったほうがオトクです。

用意するものは
マヌカオイル 25mlx1本 (5,970円)
アーモンドオイル 125mlx2本 (@1,500円 2本で3,000円)

これらをただ混ぜ合わせるだけ。これで9%濃度の希釈マヌカオイルが275mlも作れてしまう。コストは8,970円。
10mlあたり約326円。

さらにマイルドタイプとして使われる5%弱の濃度で作る場合はこちら。
マヌカオイル 25mlx1本 (5,970円)
アーモンドオイル 500mlx1本 (4,900円)

これらを混ぜ合わせれば5%弱の濃度のマイルドタイプのマヌカ希釈オイルが525mlも作れてしまう。コストは10,870円。
10mlあたり約207円。

もちろん、さらに濃度を下げればもっとコストの単価は下がります。
注意すべき点は希釈で使うキャリアオイル(今回はアーモンドオイル)の品質。食用オイルなどは使わず、必ず品質の高いコスメ用のものを選択するようにしてください。

プロの立場からのエッセンシャルオイル選び (5回目・最終回)


プロの立場でエッセンシャルオイル選びについて語る記事の5回目・最終回です。
今回はエッセンシャルオイルをより良い香りで楽しむ方法について。
高価なエッセンシャルオイルは「もったいない」ので少しずつ、長い時間をかけて使いたい・・・そう思ってしまいますよね。しかし、時間の経過で気がつかない間に香りが劣化していたら・・・これではもっともったいない、とても残念な結果になってしまいます。

水蒸気蒸留法によって抽出されたエッセンシャルオイルは基本的には腐りません。しかし時間の経過とともにオイルに含まれる成分が酸化します。つまり酸化しやすい成分を多く含むオイルは含有される成分の酸化により香りに大きな劣化が生じる事があるのです。
例えばティーツリーオイルは酸化による影響を受けやすいオイルですので、開封後1年以上経過すると香りに変化が現れます(未開封での保管期限は3年間が目安)。
一方でペパーミントスペアミントレモンティーツリーなどの香りはほとんど時間の経過による影響を受けることはありません。ラベンダーは逆に時間の経過によって熟成が進み、香りがまろやかに変化します。ちなみにティーツリーオイル・エクストラクトはその成分が酸化しないため、10年以上経過しても、その香りにも成分にも全く変化がありません。
なお、レモンやオレンジなどの柑橘系オイルに多い、低温圧搾法で作られた精油は腐敗する場合がありますので、こちらは購入から1年以内に使い切ってしまうのが目安です。

こんなオイルの特性を理解していると、オイル選びが変わってきますよね。
使い切ってしまう時期を決めてから逆算して使うことで、エッセンシャルオイルをより良いコンディションで楽しむことができるのです。

この連載は今回が最終回となります。これらの情報が皆様のエッセンシャルオイル選びの一助になれば嬉しく思います。
また、これまでの記事に関してご質問などがございましたら、ティーツリーファームズまでお気軽にご相談ください。

プロの立場からのエッセンシャルオイル選び (4回目)


プロの立場でエッセンシャルオイル選びについて語る記事の4回目です。
アロマテラピーの本場はイギリスとフランス。そのため、この両国を拠点とするエッセンシャルオイルメーカーの商品にはプレミアム感がありますね。事実、高級ブランドとして知られるメーカーの多くはこの両国に集中しています。

しかし少し角度を変えて考えてみましょう。
例えばティーツリーオイル。イギリスでもフランスでもこのオイルは生産されていませんから、結局オーストラリアの生産者よりこれらの国々のメーカーさんに供給されることとなります(画像はオーストラリアのティーツリーの畑)。それなら直接、オーストラリアから購入すれば同じレベルの高品質オイルが、より安価に高い鮮度で入手できるはず! そう考えたなら、実は正解。

オーストラリアとニュージーランド。南半球に位置する農業国で自然環境に恵まれていることからエッセンシャルオイルの生産も盛んです。そのため、オーストラリアニュージランド産のエッセンシャルオイルに特化したティーツリーファームズのようなエッセンシャルオイルメーカーが存在しています。
もちろん、品質の良いエッセンシャルオイルを見分けることは簡単ではありません。しかし、欧州の高級ブランドを使っていたなら、使い比べてみることで、これらと同程度の品質のオイルを自分で見つけ出すことも不可能ではありません。逆にもっと優れた香りに出会えることだって十分にあり得ます。

信頼のある欧州高級ブランドの商品を選択することは安全にアロマテラピーを実現するための手段としては間違っていません。しかし時には冒険することで、新しい香りとの出会を探す時のワクワク感を楽しむこともアロマの魅力ではないでしょうか。

次回の記事ではエッセンシャルオイルをより良いコンディションで使う方法について考えてみたいと思います。

プロの立場からのエッセンシャルオイル選び (3回目)


プロの立場でエッセンシャルオイル選びについて語る記事の3回目です。
エッセンシャルオイルの品質については、その見分け方が「よくわからない」という方もいらっしゃることでしょう。
そのため、某アロマ団体による「認定精油」のマークの有無をチェックしたりしていませんか? 実はこれ、残念ながらオイルの品質を見分ける意味ではあまり役立つものではありません。
こうした認定は形式的(ボトルに植物の学名が記載されているか、といった程度)なチェックを受けているだけで、販売されているエッセンシャルオイルの成分構成などを分析したり、輸入元を確認したりといった、オイルの品質を検証・保証するような科学的な裏付けや検査は全く行われていないからです。
ではなぜこんな制度があるのか・・・仕組みは単純で、団体側は認定制度と認定料で権威と利益を得ることができ、メーカー側は団体の認定という一般消費者にアピールできるお墨付きを得ることができる・・・こういった相互の利益の依存関係が成り立っていることがその理由です。

では、何を基準に品質の高いオイルを見分ければ良いのか・・・自身で成分解析ができれば最も確実なのですが、これは現実的ではありませんので、メーカーや販売店に成分分析表を開示してもらって、これを確認するのが一番簡単です。仮に成分分析表の内容が自身でよく理解できない場合であっても、もし開示に応じてもらえない(つまり、メーカーや販売店自身がオイルの成分構成を把握せずに販売している)ことがわかれば、それは商品選択ための一つの基準・目安になりますね。
そしてドンドンと質問してみること。疑問に思っていることや不安に感じていることに対してオイルの特性を理解しながら専門家の立場より丁寧にアドバイスしてくれるメーカー・販売店なら、きっと安心して長く付き合っていけることでしょう。

ちなみにTea Tree Farmsは1999年の創業当初よりインターネット上で出荷商品の成分解析データを公開しています。当時はエッセンシャルオイルをネットへ販売している会社が大変少なく、もちろんこうした、出荷商品そのものの成分分析表(代表ロットのサンプルではない)をネット上で常時公開していたメーカーはTea Tree Farms以外に無かったように思います。

次回の記事では生産地に注目することで高い品質のエッセンシャルオイルをブランドに頼らずに見つけ出す方法についてお話しします。

プロの立場からのエッセンシャルオイル選び (2回目)


プロの立場でエッセンシャルオイル選びについて語る記事の2回目。
今回はブランドごとの香りへの取り組みの違いについて。
エッセンシャルオイルメーカーには主に「安定した香り」を重視したブランドと、香りを調整することなく生産地や生産年を明らかにしてそのままの姿で出荷するメーカーの2つに大別できることは以前の記事でもご紹介しました。
つまり、利用者はオイルの利用目的に応じて『そのメーカーが好む、変わらない安定した香りを基本とした商品』か、『ロットごとに香りに差異があるものの、化学的に解析された成分構成を重視した商品』か、これらから選択することになります。

さらに、化学的な分析を重視し厳密に管理しているメーカーではロット以外に「ケモタイプ」の区分が加わります。これは同じ種類の樹木・植物であっても生産地や土壌、生育環境、そして植物個体そのものの差異により、成分構成も香りも全く異なるエッセンシャルオイルが抽出されることがあり、これらを明確に区分する必要がでてくるから。このような場合、植物名だけで区分することが事実上無意味になってしまいます。
そのため、抽出されたオイルの特性を化学的に分析した上で「ケモタイプ」という分類を植物名にさらに加える必要が出てくるのです。具体滴な例として多くのケモタイプがあることで知られているのはローズマリーやニアウリのエッセンシャルオイルですね。

余談になりますが、実はティーツリーにも個体差があって、一般的なティーツリーオイルとは全く異なる成分構成のオイルが抽出される樹木があります。ただし、こうした木からオイルを抽出したとしても商業的な価値が全くありませんので、オイルが生産されることはなく、結果、ティーツリーオイルといえば抗菌成分テルピネン4オールが多く含有されるオイルが抽出される「テルピネン4オール・ケモタイプ」のオイルを指すことになりました。

エッセンシャルオイルメーカーにはこのように、エッセンシャルオイルに対する取り組みの姿勢に違いがあります。目的とする使用方法に応じて利用するメーカーを選んでみましょう。

次回の記事ではエッセンシャルオイルの品質の見分け方についてお話ししたいと思います。

プロの立場からのエッセンシャルオイル選び (1回目)


今回はエッセンシャルオイルオイルメーカーの担当者・プロの立場でエッセンシャルオイル選びについて少しお話しをしてみたいと思います。

オイル選びの際に必ず理解いただきたいのが「アロマオイル」との違い。アロマを楽しむのだから・・・という理由だけでこの種類のオイルを選択してはいけません。この「アロマオイル」。エッセンシャルオイル(精油)とは呼ばれずに実に微妙な名称なのですが、その多くは香りを楽しむことだけを目的としたブレンドオイルで、エッセンシャルのほか、合成された香料など、様々なものが加えられたオイルの総称です。
つまり「アロマオイル」とはアロマテラピーで利用されるような植物から抽出された純天然の「エッセンシャルオイル」ではなく、化学合成された香料を含めて、適度に心地よい香りだけに注目して作られた、お部屋の芳香剤と同程度という認識で良いかと思います。

また、水溶性エッセンシャルオイルというものも存在します。こちらは水に溶解させて利用できるよう、乳化剤を加えられたオイルで主に専用の噴霧器で使用するために販売されています。水で希釈できるため使い勝手が良いので、水を使って簡単に濃度を調整したいならこのようなオイルが選択肢となります。ただし、先に説明した「アロアオイル」を水溶化しただけのオイルもありますので、商品選びに際しては使用されているエッセンシャルオイルの種類やグレードについて、明確に説明されているものを選択することが重要です。

次回の記事ではエッセンシャルオイルメーカー・ブランドごとの香りへの取り組みの違いとケモタイプについてお話ししたいと思います。

レモンティーツリーオイルは『才色兼備』なエッセンシャルオイル


「レモンティーツリーってティーツリーオイルにレモンの香りを加えたものでしょ?」
数年前に実際にお客様よりいただいたご質問です。

実際のところ、ティーツリーとは異なる植物から抽出された、香りも成分構成も全く異なるエッセンシャルオイルです。
ただ、葉っぱの見た目が似ていることから(花の形はぜんぜん違うのですが)、レモンのような香りのするティーツリーという意味でこの名前が付けられたようです。

若干の抗菌効果も確認されていますが、このオイルの魅力はその香りの美しさ。レモン系の香りのオイルは多いですが、その中でも際立って良い香りと言え、さらに時間の経過による香りの劣化が進みにくい事もあって、大容量でもじっくり使えます。
そして優れた実用性も。魅力は極めて優秀な「虫よけ効果」を備えていること。ホホバオイルなどで3%程度に希釈するだけで、スポーツやアウトドア作業で手軽に活用できる「虫よけオイル」が簡単に作れてしまいます。

レモンティーツリーオイルは良い香りと優れた実用性を両立する『才色兼備』なエッセンシャルオイルです。