「ペーパーバークの木」ってティーツリーの木? それとも???


今回は「ペーパーバークの木」についてお話しましょう。

オーストラリアにおいて一般的にペーパーバーク(Paperbark)の木というのはティーツリーをはじめ、画像のような樹皮を持ったメラルーカ種の木を指しています。
ティッシュペーパーよりも薄い、紙のような樹皮が何枚も重なって木を覆っています。上から押さえるとふわふわしていて、スポンジのような感覚。とても柔らかいため、爪を引っ掛けて引き上げれば、すぐに剥ぎ取る事ができます。

畑に植えられたティーツリーの場合、幹がこれほど太くなる前に毎年、刈り取られてしまいますのであまりお目にかかれませんが、天然自生している木や、街路樹として植えられたティーツリーの木を見つければ、このような樹皮を見ることができます。
ちなみにティーツリーの木のほかに、ニアウリロザリーナ(ラベンダーティーツリー)の木なども同じような樹皮を持っていますので、「ペーパーバークの木」というのはある特定の種類の木を指すものではありません。
オーストラリアでは皆さん、このような樹皮を持った木で自身の身近な木をペーパーバークと呼んでいますので、人によってはティーツリーの木のことを指していたり、ニアウリの木を指していたり、メラルーカ種の木全体を指していたりと様々。なので会話の中で「ペーパーバークの木」が登場しても「ティーツリーオイルの作られているティーツリーの木」だとは限りませんので、ご注意を。

ゴールドコーストやブリスベンなどでは、このようなペーパーバークの木が公園や道路沿いに街路樹としてあちこちに植えられていますので、オーストラリア旅行の際には、こうした木々にもちょっと注目してみてください。

真夏の「汗のニオイ」対策にティーツリーの抗菌力が効果的


暑い夏。気になるのは暑さだけでなく、汗が原因となる様々なニオイも。

ニオイの原因は汗や皮脂が原因となって増殖する雑菌が原因。汗をかいた後の靴の中や靴下、汗が染みたバッグ、そしてスポーツのユニホームなどの衣類が、当日よりも翌日に猛烈に臭うのはこうした環境での雑菌の影響であることは既によく知られていますね。

簡単に洗えるものは早めに洗ってしまう、これが鉄則。
しかし、靴やバッグなど簡単に洗うことのできないものについてはティーツリースプレーで雑菌の増殖を抑えるのが効果的です。

ティーツリーオイルを使ったスプレーを活用して、真夏のニオイ対策をしてみませんか?

ホホバオイルのピンポイント活用なら、固めて使うのがちょっと便利


ホホバオイルは正しくは「オイル」ではなく「ワックス」。そのため、冷蔵庫(冷凍庫ではありません!)で保管しますと画像のように固まってしまいます。
今回はこの性質を利用した活用方法をご提案しましょう。

用意するものは蓋のついた直径10センチ程度の容器。たとえばスキンクリームなどが入っていた空の容器が便利でしょうか。
ここにホホバオイルを入れて冷蔵庫に保管して半日。画像のように、しっかりと固まりますね。
このホホバ、表面を指でこすると摩擦で溶解したオイルが指先についてきます。そう、このオイルを使うのです。
固まったホホバの表面を軽く擦って一度に取れるホホバボ量はオイル1滴程度。なのでピンポイントでちょっとだけ使いたいような場合に実はとっても便利なのです。
もちろん、10度以上場所に置いておきますといつでも液状に戻せますので(品質の劣化もありません)、ご安心を。
ホホバオイルのピンポイント活用なら、固めて使うのがちょっと便利です。

使い切ったエッセンシャルオイルのボトルを再利用するには


エッセンシャルオイルが入っていたガラスボトル。空になったものをそのまま捨てていませんか? ボトルは洗浄することで再利用が可能です。
特にティーツリーファームズのオイルのように大容量のボトル場合、小さなボトルは酸化予防のための小分けに使えて便利ですね。

ボトルの再利用ではキャップとドロッパーを取り外し、まずはお湯を使って内部を軽く洗浄します。次に残ったオイルを除去するためにボトル内にアルコール(無水エタノール)を入れてよく振り、内部に残っているエッセンシャルオイルを溶かして除去しましょう。この時、ボトルネックのスクリュー部分もしっかり拭いておくと良いでしょう。
最後にキッチン用の中性洗剤を使ってボトル内・外部を洗浄して、しっかりと乾燥させて完了です。

洗い終わったこの時点では、前に入っていたエッセンシャルオイルの香りがまだボトル内に、ほのかに残っていますが、次のエッセンシャルオイルを入れた時点で全く感じられなくなってしまいますので、あまり気にする必要はありません。(もちろん、微香性オイルの場合などは例外です)

このようにしてボトルは再利用できますが、キャップやドロッパーについてはエッセンシャルオイルの成分により腐蝕されていることも多く、また腐食されていない場合であっても構造が複雑で洗浄が困難なため、再利用はお勧めできません。そのため、キャップとドロッパーはボトルの再利用時に新しいものに交換することをお勧めします。

なお、ティーツリーファームズでは交換用キャップの販売もしています。

「ティーツリー」と「レモンティーツリー」は「コロッケ」と「野菜コロッケ」の関係ではないという理由


今回は事情を分かりやすくするために、少し奇妙なタイトルを付けさせていただきました。
「コロッケ」と「野菜コロッケ」。どちらもコロッケであることが共通点です。一方で、「ティーツリー」と「レモンティーツリー」。メラルーカ種の植物から抽出されたオイルと規定するISOの基準を軸に考えるなら、レモンティーツリーはメラルーカ(Melaleuca)種ではなくレプトスペルマム(Leptospermum)種という、植物学的な分類で異なる種類の樹木から抽出されているので、「ティーツリー」ではありません。

樹木の見ためがティーツリーに似ている、ということが理由で「レモンの香りがするティーツリー」と名付けられたこの木の学名は『Leptospermum petersonii』。もちろん抽出されるオイルの香りも、そしてその成分構成も全く異なりますので、お互いが代替となるような関係ではないのです。

晩御飯のおかずが「コロッケ」から「野菜コロッケ」に代わったとしても目立った影響のあるご家庭は少ないかと。
一方でエッセンシャルオイルにおいて「ティーツリーオイル」が「レモンティーツリーオイル」に代わると名前は似ていますが、全く違ったものとなりますので、『レモンの香りがついただけのティーツリーオイル』といった誤解をされないよう、お気をつけください。

ちなみにオーストラリアではこの画像のように、レモンティーツリーの木は自宅の庭に植えて育てるハーブの一つなどとして、ローズマリーの苗などとともにホームセンターでしばしば販売されていたりします。

手作りだから作れる、「香り」だけでなく、エッセンシャルの「機能」を活用した石鹸とは


ティーツリーファームズのお客様には手作り石鹸を趣味にされているお客様も多くいらっしゃいます。
最初から薬品を混ぜて全部作る方法もありますが、最初は石けん素地を購入する方法が簡単。ネット上でも手作り石鹸用のキットが売られていますので、こうしたものを利用するのが簡単ですね。

石鹸作りでエッセンシャルオイルが使われるのは主に香り付け。100グラムの石鹸に対して10滴(0.5ml)程度、濃度は約0.5%程度というのが一般的なようです。
たとえば、ここにあと10滴のティーツリーオイル・エクストラクトを入れることで、香りだけでなく、ティーツリーの抗菌効果を加えることもできますね。

ところで、先日オーストラリアのフリーマーケットで見かけたのは5%近いユーカリオイル(グロブルス種)を入れた石鹸。エッセンシャルオイルの濃度はかなり高濃度ですが、その理由は激しい油汚れを落とすため。エッセンシャルオイルの特性をうまく活用したもので、グリースなどで手が真っ黒になってしまうことの多い自動車整備士さんや機械工さんに向けて作っているのだとか。
ここではユーカリオイルが使われていましたが、ティーツリーオイルやラベンダーオイルでも代替えできそうですね。

高濃度のエッセンシャルオイルが含まれた石鹸はその成分が使用者の体質に合っているかをしっかり確かめる必要がありますが(レモンマートルなどその成分上、高濃度での使用に適さないエッセンシャルオイルも多くありますので、十分に注意してください)、一方で日本では市販品として購入できることも少ないでしょうから、これは手作りだからこそ楽しめるものかも。
手作り石鹸でエッセンシャルオイルの「香り」だけでなく「機能」を一緒に楽しんでみませんか?

真冬に咲く、メラルーカの花を見つけました

ティーツリーの木が属する「メラルーカ種」の植物には様々な種類があるのですが、先日、海岸沿いの沼地近くで見つけたのがこの木。はっきりした種類はわかりませんが、メラルーカ種の木に特徴的なフワフワとした花と薄い紙を何重にも重ねたような柔らかい樹皮を持っています。
同じメラルーカ種のティーツリーより葉が幅広く、ニアウリより細い葉の木で、真冬のこの時期には珍しく(多くのメラルーカ種の木は春から夏にかけて花を咲かせます)たくさんの花を咲かせていました。
高さ6メートルほどの大きな木。メラルーカ種の木の多くは塩分にも強いようで、こうした海岸沿いの低地・汽水域の沼地にもしばしば見られます。

ところで「メラルーカ」と言うと「ティーツリーオイルの採れる木」だと誤解されている方も多いようですが、コレは某エッセンシャルオイルメーカーさんが商業上の理由でティーツリーオイルを『メラルーカオイル』と名付けたことが理由で(詳しくはこちらのリンク記事をご一読ください)、メラルーカというのは植物学上の分類で決してティーツリーオイルの採れる木だけを指すものではありません。

逆にオーストラリアではメラルーカ種の木とその近似種までを広く一括りにして「ティーツリーの木」と呼んだりしますので、コレもまた誤解の原因になっていて、理解をややこしくしています。

コレがティーツリーの畑の「隣」から飛んできたモノ


今日の夕方に空からフワフワと降ってきたものがコレ。ちらほらと降る雪のよう。

この正体はもちろん雪ではありません。「火山灰?」と思った方、いいえ、今のオーストラリアには火山はありません。

答えはサトウキビの灰。ティーツリーと同じ環境で育つのがサトウキビで、しばしばコレらの畑は隣接しています。
オーストラリアでのサトウキビの収穫は大型の機械で行われ、刈り取ったものがそのまま直接大型トレーラーに積み込まれて製糖工場に運ばれるのですが、この時、枯れた葉がそのまま付いているとかさばって搬送時の無駄になるほか、収穫時の作業の邪魔になります。
そのため、収穫の前に畑に火をつけて、こういった枯葉を収穫前に燃やしてしまうんです。多くの場合、こうした作業は火が見えてコントロールしやすいように、夕方から夜にかけて行われます(時折、日中にも行われています)。そこから熱による上昇気流に乗って飛ばされてきたものがコレでした。

でも、ティーツリー畑のお隣さんがサトウキビ畑だって、知らなかったでしょ?

その香りはレモン石鹸? 山椒? レモンユーカリの香りと魅力


アロマに少し詳しくなると多くの方が使ってみたくなるのが「レモンユーカリオイル」ではないでしょうか。その理由はその強力な「虫除け効果」。

その名前から想像すると、ユーカリのすっきりした香りにレモンの香りが加わったような、そんな香りをイメージしてしまいそうですが、実際は驚くほどに全く違った香り。
その理由は、一般的なユーカリオイルが80%前後の割合で含まれる「1,8シネオール」という成分を中心に構成されているのに対して、レモンユーカリの場合、この成分はごくわずか(2018年現在の出荷ロットEC-068の場合で1.4%)しか含まれていないから。一方でレモンユーカリにはシトロネラールという成分が75%から80%ほど(EC-068の場合で77.7%)含まれていて、成分構成上も香りの上でもこの成分が主軸になっているのですから、香りが全く違っていて当然ですね。

では、このレモンユーカリ、どのような香りがするのか?。名前からは「レモンのような香りのユーカリ」なのですが、これも少し期待はずれ。ちょっと年配の方なら子供の頃に学校などに備え付けられていた固形のレモン石鹸の香りを覚えていらっしゃいませんか? これと似ているため、オーストラリアでも「レモン石鹸みたいな香りだよね」と言われることがあります。
他にたとえるなら山椒の香り。ちょっぴりスパイシーで独特のクセのある香りは山椒の香りに似ているようにも思います。

こんなレモンユーカリですが、蚊が嫌う成分として知られる「シトロネラール」の含有量で他のエッセンシャルオイルを圧倒してダントツの虫除け効果が期待できますから、夏の蚊の増える時期に大活躍。ブレンドなどを工夫することで様々な香りを楽しみにながら、同時に空間の虫除け(殺虫ではありません)ができるのですから、ワクワクしませんか?
アロマを楽しむなら、その機能性で絶対に持っていたいオイルですね。

霞がかかるティーツリーの山・・・これってなーんだ?


霞がかかった大きな山・・・に見えるこの画像、実はティーツリーの山です。
どういうことかと言うと、この山はティーツリーオイルの蒸留機の横に積み上げられたものだから。

ティーツリーオイルは刈り取った枝葉を蒸留機に入れ、ボイラーで作られた水蒸気をパイプを通して蒸留機に流し込んで蒸し上げて、そこから出てくるオイルの成分を含んだ水蒸気をもう一度集めて冷却することで抽出されます。すなわち、「水蒸気蒸留法」というのがこれ。

そしてオイルが抽出された後に残るのが画像のようなティーツリーの枝葉なのです。実物は5メートルほどの山で、霞のように見えるのは蒸留後の余熱から上がっている蒸気でした。
この蒸し上げられた後のティーツリー。もちろん捨ててしまうわけではありません。
適度に柔らか、そして細かく裁断されているため、園芸用として最適。高温で熱されているため雑草の種子の混入も心配なく、また僅かですか、ティーツリーオイルの成分が残っていてカビが生えにくいため腐敗が進みにくく虫が好んで寄ってこないため、ウッドチップの代わりなどとして広く活用されています。