新しいオイルと古いオイル、良い香りのするエッセンシャルオイルはどっち?


新鮮なエッセンシャルオイルは良い香りがする・・・そんなイメージがありますが、実際には常にそうなるわけではありません。
例えばラベンダーオイルペパーミントオイル。少し熟成が進んだ方が、尖った青々しい香りがなくなって、まろやかで豊かな香りが楽しめます。

これと全く逆なのはティーツリーオイル。こちらは酸化が進みやすい上、酸化による香りの劣化が著しいため香りを楽しむなら絶対にフレッシュなオイルがオススメです。
ちなみに、どちらでも大差がないのがグロブルス種などのユーカリオイル。10年以上経過しても、ほとんど香りは変わりません。

こう書きますと、「古いラベンダーオイル=良い香りのラベンダー」といった印象ですが、実際にはそうではありません。酸化や太陽光での劣化対策など、適切に管理・保管されていないエッセンシャルオイルは、たとえラベンダーオイルであっても残念ながらその香りは激しく劣化してしまいます。
キチンと管理されずに、ただ放置されたワインが熟成したワインにはならずに、酢になってしまうのときっと同じですね。

ティーツリーの香りをもっと楽しんでみませんか?


抗菌効果に関して紹介されていることが多いこともあって、なんとなくティーツリーオイルが「香りを楽しめるエッセンシャルオイル」であることが忘れられている気がします。

ティーツリーの香り。オーストラリアのスーパーマーケットや、日本でも大手オンラインショッピングモールなどで入手できる安価なティーツリーオイルは芳香、つまり香りを楽しむことを目的に作られているわけではない「スタンダードグレード」です。このグレードのオイルが『薬っぽい香り』などと言われてしまうのは、グロブルス種などのユーカリオイルに多く含まれる1,8シネオールという成分の含有が多いことがその原因。

対して香りを楽しむために作られたティーツリーオイルは1,8シネオールの含有が少ないプレミアムグレードのオイル。その香りは刺激の少ない爽やかな香りで、別物と思えるほどに全く違います。ちなみティーツリーファームズのティーツリーオイルはアロマで使えるこのグレードです。

刺激成分の含有が少ないため、ミントや柑橘などとのブレンドでも活用できます。さらにティーツリーオイルは葉っぱだけではなく枝も一緒に蒸留して作られますから、実はちょっぴりウッディーな香りも楽しめるのですが、もし1,8シネオールの含有が多いスタンダードグレードだとツンツンした香りに遮られてしまい、この部分があまり楽しめないのが残念ですね。

ティーツリーファームズのティーツリーオイルなら、ティーツリーの香りを楽しむ、という意味がきっとご理解いただけるかと思います。でなければ、他社様よりアロマ用として販売されている、ちょっぴり高めのティーツリーオイルを試してみてください。

薬臭さとは無縁の澄んだティーツリーオイルの良い香りを多くの皆様に知っていただければ嬉しく思います。

ティーツリーオイルが古くなったらどうなるの?


開封後、1年を過ぎた頃から徐々に変化が感じられるようになるのがティーツリーオイルの香り。酸化による劣化です。澄んだ爽やかな香りは酸化による癖のある香りに遮られ、この割合は時間の経過とともに徐々に高まってきます。

オイルの色はフレッシュな時の白ワインのような色から、だんだんと黄色へ、そしてさらにオレンジ色に近い色に変化します。
もう、こうなってしまうと残念ながら香りを楽しむ用途では使えません。

一方で面白いのは「抗菌用途」ではまだ活用が可能だということ。古くなったティーツリーオイルはエッセンシャルオイル全体としては酸化による香りの劣化があり、品質が劣化していますが、主要な抗菌成分「テルピネン4オール」は酸化の影響を受けない成分のため、古くなっても「健在」! つまり抗菌目的なら古いティーツリーオイルでも問題なく使えてしまうのです。

香りの劣化はあるものの、腐ってカビが生えてしまうようなことはありませんので、抗菌目的だけなら古くなったティーツリーオイルにも活躍の場がまだ残っているのです。

希釈ティーツリーオイルを自作しよう!


ニキビ対策や水虫退治など様々な分野で活用できるティーツリーオイル。しかし、とっても強力な抗菌成分を含有するティーツリーを希釈のないまま使用することは、ちょっと過剰な抗菌成分のアプローチになることも。ほとんどのケースで3%から10%、強くても20%もあればほとんどのケースで十分な抗菌効果が期待できますから、希釈して使った方が安全ですし、さらに経済的です。

あらかじめ希釈されたティーツリーオイルを利用することも選択肢ですが、今回はキャリアオイルを使って自作する方法をご紹介しましょう。
ポイントはキャリアオイルの選択。食用のオリーブオイルや各種のナッツオイルなどでも作れますが、粘性が高いためベトつきがあります。ですから、ピンポイントでの利用ならあまり気になりませんが、塗り広げるような使い方では難があるかも。さらに酸化の影響を受けやすいため劣化が早いことも注意点です。ですからこの場合は作り置きせす、1〜2ヶ月ほどを目処に使い切ってしまうようにしましょう。

希釈にオススメのキャリアオイルはコスメ用として販売されているマカデミアナッツオイルアーモンドオイルホホバオイルなど。これらの場合、粘性が低く肌に浸透しやすい上、酸化に強いため作り置きにも適しています。1年程度は香りに影響も見られずに、問題なく使えることでしょう。
希釈の割合は目的に応じてでですが、広範囲に塗り広げるような用途の場合には3%など、低めにするのがコツ。

希釈ですが容積比ではなく、重量比、つまり重さの比率で作るのが簡単でしょう。数値で表示されるデジタル式の計量器の利用がオススメ。
具体例として100グラムの10%希釈オイルを作るとすれば、キャリアオイル90グラムに対してティーツリーオイル10グラムといった具合。これなら簡単ですよね?

希釈したティーツリーオイルならさらに気軽に使えますから、活躍の場がきっと広がりますね。

出荷商品成分分析表:長期熟成 オーストラリアン スペアミント


出荷商品成分分析表

Australian Spearmint (オーストラリアン スペアミント)
長期熟成オイル

 

学 名: Mentha spicata L.
生産国: オーストラリア
抽出部位:
抽出法: 水蒸気蒸留
生産年: 2006年

バッチナンバー MS-022/06

成分名称
alpha-pinene 0.5
beta-pinene 0.5
para-cymene 0.1
limonene 13.0
1.8-cineole 0.9
menthone 1.5
menthol 1.8
cis-dlhydrocarvone 9.0
trans-dihydrocarvone 0.5
10 carvone 64.9
11 iso-dihydrocarvyl acetate 3.3
12 beta-caryophyllene 0.7

 

今日現在、出荷しているオイルの成分分析は上記のようになっております。
オイルは一定周期で入れ替わっており、ロットが変わりますと成分内容も若干変化いたします。ご注文いただいた時期によっては上記成分と若干異なる商品がお手元に届く場合がありますので商品に添付させていただいた品質証明書のバッチナンバーで御確認ください。

 

出荷商品成分分析表:長期熟成 オーストラリアン ペパーミント


出荷商品成分分析表

Australian Peppermint (オーストラリアン ペパーミント)
長期熟成オイル

学 名: Mentha x Piperita L.
生産国: オーストラリア
抽出部位:
抽出法: 水蒸気蒸留
生産年: 2006年

バッチナンバー MP-025/06

成分名称
alpha-pinene 0.6
sabinene 0.3
beta-pinene 0.8
alpha-terpinene 0.2
para-cymene 0.4
limonene 0.9
1.8-cineole 5.5
gamma-terpinene 0.4
menthone 22.2
10 menthofuran+isomenthone 6.8
11 neo-menthol 3.6
12 menthol 41.4
13 iso-menthol 0.9
14 neo-iso-menthol 0.2
15 pulegone 1.1
16 carvone 検出せず
17 menthyl acetate 7.7
18 beta-caryophyllene 1.9

 

今日現在、出荷しているオイルの成分分析は上記のようになっております。
オイルは一定周期で入れ替わっており、ロットが変わりますと成分内容も若干変化いたします。ご注文いただいた時期によっては上記成分と若干異なる商品がお手元に届く場合がありますので商品に添付させていただいた品質証明書のバッチナンバーで御確認ください。

 

大人のニキビに、チョチョっと指先で「カジュアル」に・・・

ティーツリーオイルの活用でもっともポピュラーなのがニキビ対策。ニキビの原因は炎症ですから、その優れた抗菌力で細菌の増殖を抑えることで効果が実感できる、そんな理屈です。

スタッフたち自身がもっとも活用するのもコレ。特に放置するととっても大きく、そして痛くなる「大人のニキビ」対策にティーツリーオイルは欠かせません。
使い方は指先にドロップしたオイルをそのままニキビにチョチョっと塗っておしまい。通常、2〜3日でなんとかなってしまいます。

もっとも、コレはとっても「カジュアル」な使い方ですから、もしこの使い方は指先が汚くて雑菌が増殖しているような場合だとマズイでしょうし、ティーツリーの成分が体質に合わない方もできない利用方法。ですから、もし真似をするならばあくまでも「自己責任」で。

コレはオーストラリアでの「カジュアル」なティーツリーオイルの使い方の一例としてのご紹介ですので、くれぐれもご理解くださいませ。

魅惑の色・オーストラリア産の青いエッセンシャルオイル

「一度、蒸留を始めたら24時間、ぶっ通しになるから体力勝負になるんだよね。」。作業者がこう笑いながら、見つめる先にある、蒸留器から上がった蒸気を集めるためのガラス容器の中には青い色の細かい粒がキラキラと輝いていました。
蒸留の作業自体はそんなに複雑なものではないのですが、温度や気圧など、様々な微妙な変化を確認しながら、安定した高い品質のエッセンシャルオイルを抽出するのは、やはり職人技です。

このエッセンシャルオイルの名前はブルーサイプレス。青い色のサイプレスオイルで、オーストラリア大陸北部が原産の樹木です。その見た目の美しさと香りの良さから、非常に高価なオイル(何故か、青い色のエッセンシャルオイルはどれもが高価なのですけれど)です。生産量も限られていることから、かつて「偽物」が作られたほど。もっとも、この時にメラルーカ種の木から作られた偽物は着色で見た目だけキレイでしたが、香りは全くダメだったのだそうです。

ブルーサイプレスオイルの一番の楽しみはその香り。そのままで香水として使えるような、複雑な香りは一般的なサイプレスのエッセンシャルオイルとは全く異なります。特にフレッシュなオイルの香りは甘さを感じさせるもので秀逸。
ただし酸化による劣化が早い傾向があるので、開封後は1年以内に使い切っていただくことをお勧めします。またキャップ内に残ったオイルは劣化が早いため、使用のたびにボトルのドロッパーをキレイにお手入れするのが良いかも。

ブルーサイプレスは高価で取り扱いにちょっぴり手のかかるオイルですが、その香りを試す価値は十分にあると断言できる、そんなオーストラリア産エッセンシャルオイルです。

葉っぱを乾燥させるだけでそのままハーブティーになる、レモンマートル


オーストラリアでメジャーな存在になったレモンマートル。食用のハーブとしてとても高い人気があります。
たとえば画像のハーブティー。中身は乾燥させて砕いたレモンマートルの葉っぱだけ、というシンプルなもの。もし自宅にレモンマートルの木があれば簡単に作れてしまいますね。

このレモンマートルから作られたエッセンシャルオイルはカップ1杯のオリーブオイルに、ほんのわずか1〜2滴加えるだけで、サラダや魚料理で使える美味しいレモンマートル・オリーブオイルが作れてしまいます。オーストラリアの少しオシャレなレストランでしばしば使われていて、オーストラリア人にとっては馴染みの香りに。ペッパーの香りともよくマッチします。

ただし、オイルの取り扱いではシトラル成分の濃度がとっても強いため、特に敏感肌の方には取り扱いに注意が必要なエッセンシャルオイルです。
また、古くなると香りが酸化の影響を受けやすいため、良い香りを楽しむためには鮮度の高いオイルを入手しましょう。(鮮度によって香りはかなり違います。)

12年間、じっくり熟成させたミントの香りは「奥が深くふんわり」したゴージャスな香り


2006年前半に作られたペパーミントとスペアミントのオイル。酸化が進まないように細心の注意を払って容器に充填し、その後、ウィスキーのように、じっくりと12年間熟成させました。
そして12年目となった2018年6月、ついにこれを開封。その香りは・・・

ミントの香りといえばちょっと強めのトップノートですが、12年後の香りはペパーミント、スペアミント共に実に穏やかで丸みのある、すっかり大人の香りに。表面的な香りが抑えられた分だけ、ウッド系のエッセンシャルオイルを思わせる、奥の深い香りに変化していました。ミントの香りがこんなに奥深いものになるとは、驚きです。
特にスペアミントではメントールによる刺激がない分だけ、この香りの変化が大きく感じられます。12年間の熟成が生み出した香りの変化と成長です。

画像はスペアミントオイルの比較。左側の黄色味がかった方が2006年産の熟成オイル、右側の赤みがかった方が2018年産のフレッシュなオイル。

ちなみに、熟成させたオイルと、単に古くなっただけのオイルとは大きく異なります。管理されていなければ酸化が進んでしまい、その香りは激しく劣化して失われてしまいます。
熟成による変化は当然、成分解析データにも表れます。ちなみに今回の12年熟成のオイルの場合、酸化により増加する成分の変化も最低限に抑えられ、12年前のデータと比較して遜色のないものになりました。

「他社さんに真似のできない商品を作ってみたい」と思い、12年前に仕込んだペパーミントとスペアミントの2つオイル。長い歳月を経て、大きく成長した姿を見せてくれました。