真面目に考える、ティーツリーオイルで「天ぷら」が作れない理由


オイルといえば、一般的にイメージされるのはサラダオイルなどの食用油でしょうか。こんな連想からエッセンシャルオイルに対しても「油脂」だという誤ったイメージを持っている方が時折いらっしゃるようです。そして「エッセンシャルオイルで天ぷらは作れるのかな?」といった発想(もちろん冗談でしょうが)につながるようです。

で、今回は真面目にこれが実現可能なのかを考えてみましょう。

実際のところエッセンシャルオイルは揮発油でその成分は「化合物の複雑な混合物」。また気化する温度も低いので、油脂のように液体の状態のまま温度をどんどんと上げることができません。たとえばティーツリーオイル。水蒸気を使って蒸留して作られたわけですから、オイルのすべての成分が水より低い摂氏100度に到達する前に気化してしまうことになりますよね。
天ぷらは衣に含まれた水分を天ぷら油の熱(通常は160〜180度ほどでしょうか)で気化させて「乾燥」させることでサクサクになるわけですから、水よりも先に気化を始めてしまうティーツリーオイルでは衣をから水分を抜いてサクサクに仕上げることができないのです。
なので天ぷらは作れません。
また、一般的なティーツリーオイルの引火点は60〜65度前後になりますから、料理以前にコンロの火の引火による火災の心配をしなければいけませんね。

まあ、もしうがい等でティーツリーオイルの「味」を知っているなら、仮に数々の難題をクリアして天ぷらが作れたとしても、美味しくなるとは思えないでしょうけれど。。。

体験談:邪魔だった直径5ミリのイボがポロリと取れた話


半年ほど前からでしょうか、瞼の上にできたイボが気になり始めました。
当初は小さなホクロのようなものだったのですが、徐々に大きく、そして2ミリ程度の分厚いものに成長。そして少し痒みを感じることも。
また瞼の上という場所もあって、まばたきをすると少し干渉して嫌な感じで気になります。
このイボは以前、側頭部にできた細菌性のイボにとても似ていたため、今回もブルーサイプレスオイルを使って退治に挑戦しました。

アプローチは極めて簡単。朝晩各1回、オイルを指先でチョチョっとイボに直接刷り込むだけ。ブルーサイプレスでのイボ退治は今回で3回目になりますが、今回初めて、わずかな刺激を感じました。目の周囲という敏感な部位だったからでしょうか。

過去2回では3週間ほどかかって、ボロボロと崩れるように取れたイボですが、今回は強めに刷り込んだ事もあってか、わずか1週間でイボはだんだんと固くなって、ポロリと取れてしまいました。その取れたイボの画像が上のコレ。画像では4ミリほどしかありませんが崩れ落ちた箇所があり、全長は5ミリちょっとの大きさでした。

取れたあと(直後)の様子はこんな感じ。赤黒い跡は残っていますが、大きく飛び出ていた邪魔なイボが取れて、もちろん痒みもありません。

ブルーサイプレスオイルを使った細菌性イボ退治。
オイルと体質との整合性もありますので、誰でもできるものではないかもしれませんが、個人的にはコレが3回のイボ退治成功となりました。

なお、この記事は個人の体験をご紹介したものです。
もしご自身で挑戦される場合には十分に気をつけて”自己責任”でご利用ください。

ティーツリーの抗菌・消臭効果が確認できる、簡単な実験


ティーツリーオイルの抗菌効果については、既にこのページの読者の方なら十分にご存知かと思います。
では、今回はティーツリーの持つ消臭効果とその実験についてご紹介しましょう。

エッセンシャルオイルの持つ消臭効果については、香水のように強い香りでニオイをマスクしてしまう方法と、ニオイの原因を根本から退治してしまう方法の2つがあります。ティーツリーの場合、香りが強いのでマスクすることもできますが、本当に実力を発揮するのは抗菌成分による2つ目のニオイの根本的な退治です。

ではこのことを証明する実験をしてみましょう。
用意するものは一日履いたニオイの気になる靴下と密封できるビニール袋、そしてティーツリーのダニ駆除スプレー。このスプレーがない場合には、ティーツリーオイルを使って自作したスプレーでももちろんOK!(参考記事:簡単なティーツリースプレーの作り方

1つ目の袋には、靴下をそのまま入れましょう。これは実験結果の比較用。
2つ目の袋にはティーツリースプレーを吹き掛けた靴下を入れて密封します。
袋には空気が入っていても大丈夫。そして1日そのまま屋内に放置します。

翌日、開封してニオイを比べてみましょう。
スプレーをしなかった靴下はあの独特のニオイはそのまま。一方でスプレーした方の靴下からはほとんどそれが感じられないレベルに! もはやその違いは「驚異的」なレベルです。

とても簡単な実験ですから、是非、機会がありましたらご自身でもお試しください。

ネロリーナ、レモンティーツリー、レモンマートル・・・入手が難しくなってきたエッセンシャルオイル


希少種とされるエッセンシャルオイル。こうしたエッセンシャルオイルはオイルの生産量が少ないのと同時に、その生産者の数も少ない、という現実があります。つまり、その生産者が生産を止めてしまった場合、誰かが他の場所で新たに生産を始めるか、ほかの誰かがその農園を買い取って生産を引き継がない限り、そのオイルは世界からなくなってしまう・・・
事実、今こうした「消滅の危機」に瀕しているエッセンシャルオイルはいくつもあります。たとえばネロリーナロザリーナがその具体的な例。生産・供給が止まったり著しく減少した希少種のオイルは一気に値上がりが始まります。このほかレモンティーツリーオイルにように複数の生産者がいるにもかかわらず、人気精油であるがゆえ、生産量が相対的に不足し供給が安定しない例もあります。

ちょっと変わった例ではレモンマートル。こちらはハーブティーの人気が高まり、オイル生産からドライハーブ生産に切り替える農園が増えたことから、エッセンシャルオイルの供給不足と値上がりにつながっています。
このように、エッセンシャルオイルの需給バランスは、その香りと同様にとてもデリケードなのです。

※画像はレモンマートルの葉。このまま乾燥させるだけでハーブティーになります。

花粉症の症状を一発で緩和する、ティーツリーオイルの活用法


花粉でグズグズする季節。根本的に治療できたら一番良いのですが、とりあえず出てしまった症状を緩和したい、そんな対症療法としてティーツリーオイルの活用方法をご紹介しましょう。

用意するものは洗面器と熱いお湯、そしてティーツリーオイル。この組わせでできることといえば「蒸気吸入」です。
熱いお湯を入れた洗面器にティーツリーオイルを3〜5滴ほどドロップし、その蒸気を吸入するという方法で、オーストラリアやヨーロッパでは風邪対策などとして古くから行われている方法です。蒸気をより多く吸入するために頭部にタオルを掛けて蒸気を集める方法もあります。
吸入を終えればティーツリーの成分と適度な湿度の作用でスッキリとしているはず。

ただし、この方法での使用の注意点は2つ。1つ目は喘息のある方の場合には発作誘引のリスクとなり得ること。これには十分な注意が必要です。
2つ目はオイルの成分による刺激。特に目や粘膜には刺激を強く感じることがありますので、適度に濃度を調整してください。刺激成分の含有が少ないプレミアムグレードのティーツリーオイルの方が、より使いやすくなるかと思います。

知っておきたい、オイルの「容積」と「重量」の関係


多くの量のエッセンシャルオイルやキャリアオイルを取り扱う場合に気をつけていただきたいことに比重による「容積」と「重量」の差があります。
5mlや10ml程度であれば、あまり目立ちませんが、1,000mlになるとその重量はおおよそ910グラム(オイルの種類によって比重は変わりますから、おおよその目安としてご理解ください)。そう、1キログラムじゃないんです。

水は1,000mlで1キログラムですが、対してオイルの場合、おおよそ9割。逆から考えて、1キログラムのオイルなら、おおよそ1,100mlになります。
つまりオイルなら1,000ml入りより1キログラム入りのほうが1割もお得という計算。
エッセンシャルオイルでこれほど大容量のオイルを購入することはあまりないかと思いますが、キャリアオイルや食用油を購入する際には知っていて役立つかもしれないですね

バケツ1杯分のエッセンシャルオイル


今回はプレミアムグレードのティーツリーオイルを探していたKさんのお話です。Kさん、オーストラリアでオリジナルブランド立ち上げのためにキロ単位のオイルを供給してくれる会社を探していました。
Kさんが当初、連絡をした会社は社名こそ大会社にような印象だったのですが、いずれも小売中心の会社だったようで「キロ単位なんて大きすぎて扱ってないよ」という返事ばかり。朝からずっと断られ続けて、午後になってようやく大手のX社に連絡をつけた時にはすっかり諦めムードでした。
「大きな量のティーツリーオイルが欲しいいんですけど」とKさん。
「大きな量というとどれほどですか?」とX社の担当者。
「2キロほどなんですが・・・こんなにたくさん供給できますか?・・・だめですよね。。。」とKさん
「2キロですか。なんだ、バケツ1杯分だけじゃないですか。全然問題ないです。100キロとか言われるのかと期待しましたよ・笑!」と担当者。

バケツ1杯分だけ・・・日頃、ミリリットル単位でエッセンシャルオイルに触れている私にとって、エッセンシャルオイルをバケツ単位で考える発想はなく、ずいぶんと衝撃的でした・・・とKさんは笑って語ってくれました。

エッセンシャルオイルは小売ではミリリットル単位で取り扱われるのが普通です。そのため一般のお客様がキロ単位でオイルを取り扱うことを経験されることはあまりないことでしょう。そんな事もあって実はメーカーであってもキロ単位での出荷に対応している会社はそう多くはありません。
ちなみにティーツリーファームズでは、百キロ単位までなら今まで取り扱った経験はあります。が、もし世界的な大企業を相手にした取引だと、その量はトン単位になりますから・・・ここまでになるとちょっと、なかなか想像できませんね。

意外かもしれませんが・・・「成分解析」と「香り」の関係


エッセンシャルオイルの構成成分を解析するのが『ガスクロマトグラフィー(GC)』という機器。
※この機器についての詳細はウィキペディアのページをご利用ください

そのオイルがどのような成分とバランスで構成されているのかを検査する機器で、エッセンシャルオイルの品質を確認するための最も基本となるデータで、画像のようなデータが採取されます。
たとえばティーツリーオイルであれば、この検査で抗菌成分「テルピネン4オール」や刺激成分「1,8シネオール」などの含有割合を調べることができ、その結果がオイルのグレードに直結しますから、重要な検査ですね。

こんな『ガスクロマトグラフィー(GC)』の化学的な検査を通せば何でもわかってしまう気がしますが、成分構成は分かっても、実はとても大切なことをが判別できません。それは「香り」。
もちろん、成分構成を知ることでおおよその香りの目星はつけられます。また、その香りの裏付けとして解析されたデータを確認することはできます。

しかし、この検査結果だけを見てそのエッセンシャルオイルが良い香りなのか、そうではないのかを判断することはできないのです。

個体が持つ「香りの個性」を楽しむ


同じ名前のエッセンシャルオイルでも、メーカーが変わるとその香りには大きな違いがあることは珍しくありません。
この最も大きな要因は産地の違い。たとえば誰もが知っているペパーミントの香りでも、北米産とオーストラリア産では大きな違いがあるのです。
さらに同じ産地のオイルであっても、生産年や生産時期、生産ロット毎にもその香りには違いがあります。特に生産年はその年の雨や天候などが作用し、比較的違いが大きく現れる要因ですね。

ティーツリー場合、常緑樹であり、加えて花や果実ではなく枝葉からオイルが抽出されるため、一年を通してハーベストが行われます。そのため同じ年の生産であっても年の前半と後半では気象状況や樹木の生育状況が大きく違うこともあり、そこから抽出されるオイルの成分構成や香りには大きな違いとなって現れることは決して珍しいことではありません。

画一的に大量生産された工業製品に囲まれて生活していると、こうした「不揃い」がつい気になってしまいますが、エッセンシャルオイルは農業製品であり天然の植物から作られる生産物なのですから、こうした違いがあることはむしろ「当たり前」のこと。

ですから、画一的な香りを求めるのではなく、その個体が持つ「香りの個性」を楽しんでいただきたいと思います。

ヨーロッパの影響を色濃く残す「古いオーストラリア」の風景


蔦の絡まる城壁のような壁。
イギリスの影響を未だに色濃く受けているオーストラリアでは、故郷への郷愁があるのでしょうか、このような壁や、スコットランドなどに多く見られる低く延々と連なる石垣などがあちこちで見られます。

もちろん、近年に新しく開発された区画にはこんな家はありませんが、開拓から50年、100年と経過した土地には、かつてのヨーロッパの姿が現在も色濃く残っています。
このほかにも、イタリア系移民が多かった地域にはイタリア風の、ギリシャ系移民の多かった地域にはギリシャ風の、そんな建物が集まり、当時の様子を今に伝えています。

ところで、オーストラリア産のエッセンシャルオイルの代表と言えるのはティーツリー。その優れた抗菌力から薬用用途の多いエッセンシャルオイルですが、高い品質(プレミアムグレード)のものは未だにイギリスやフランスなどアロマテラピーをリードする国々に多く出荷されています。
これらの国々に出荷が多いのも、かつての深いつながりの影響が残っているからなのでしょうか。