10%濃度のオイル それは重量比?それとも容積比?


今回は少し細かいお話です。

ティーツリーオイルの濃度が10%と書かれた商品があると仮定しましょう。
オーストラリアで販売されているこのような商品にはラベルに
1.ティーツリーの含有量 10ml/100ml
2.ティーツリーの含有量 10mg/100mg
といった記載がされているのが一般的です。

この2つ、その意味が違うことがお分かりでしょうか?
そう、1は容積比で2は重量比です。オイルは比重(水を1として)が軽いため、1と2では混合バランスが異なってくるのです。ちなみにティーツリーオイルの比重は0.89ほどになりますので、1の場合には100mlあたり10mlのティーツリーオイルが入っていますが、2の場合には約11.2ml入っていることになります。

一見、同じように見えて、実はその中身・バランスにはこうした違いがあるのです。

比重を理解して、もし、1キログラム入りのティーツリーオイルと1,000ml入りのティーツリーオイルが同じ価格で売られていたなら、1キログラム入り(約1,100ml入っている)を選んだほうがお得だということもご理解いただけることでしょう。

より正確な計量なら滴下数のカウントを止めてスポイトを使いましょう


エッセンシャルオイルを計量する場合、一般的にドロッパーからの滴下数を数えているかと思います。

1滴あたり、0.05mlというのが標準とされていますが(これは摂氏20度の状況で水の1滴の量を基準としておおよそ推測される量です)、実際にはオイルの粘性やドロッパーの種類、そして個々の仕上がりにより、かなりの誤差があります。加えて、長い間使用しているとオイルの成分による劣化で流量が大きくなったり、逆に詰まりが起きて流量が減ったりすることも。(ですから、ドロッパーの再利用はオススメしません)。

2,3滴の利用であればあまり影響はないのですが、1mlを超える量(20滴前後)を計量するとなると、その誤差は大きくなる可能性がありますので、滴下数のカウントだけで計量することは好ましいものではありません。

オススメはスポイトの利用。使い捨てスポイト(ディスポーザブルスポイト)という、ビニール製のスポイトがありますので、これを利用すると容易に、より正確な計量が可能になります。使い捨てとは言っても、数回であれば再利用も可能。

大きな量でブレンドを作ったり、ルームスプレー等を自作をする場合や、同じ香りを毎回、より正確に再現したい場合にはスポイトを利用しましょう。

ティーツリーオイルは品質に関わりなく「服用できません」


時々、いただくご質問に「(ティーツリーファームズの)ティーツリーオイルは服用に使えますか?」というものがあります。もちろん「服用できません」。
様々な方法でティーツリーオイルを活用しているオーストラリアでも、オイルを服用で使用することはありません。

ちなみにオーストラリア国内で販売されるティーツリーオイルには誤飲を防止するための特殊なキャップが装着されています。つまり多量に飲むと人体に危険なのです。
知人の救急医によると、まれに誤飲により病院に運ばれてくるケースがあるとのこと。彼女の患者では命に関わるような深刻なケースはありませんが、強力な成分で体内の悪玉菌・善玉菌を問わず、体に必要なこれらの菌のバランスが滅茶苦茶になってしまいますので、体調の回復には時間がかかるとのこと。

「服用できません」と回答すると、「服用で使える品質ではない(=品質が悪い)」と大きく誤解され、大変悔しい思いをするのですが、そもそも『服用で使えるほどに高品質なティーツリーオイル』などというものは存在しません。

優れた抗菌効果を持つティーツリーオイルですから、安全に活用していただきたいと思います。

機能性アロマは「エッセンシャルオイルの成分構成」を意識してブレンドを考えるのが大切


エッセンシャルオイルのブレンド。香りを楽しむだけのブレンドであればあまり難しく考える必要はないのですが、たとえば抗菌など、香り以外の用途を目的とした場合はその成分構成を意識する必要が出てきます。

具体的な例として、抗菌効果のあるAという成分を多く含んだ精油Bと、同じくAを多く含んだ他の精油Cをブレンドした場合。結局、そのブレンドにはAの含有量ばかりが高まります。ブレンド前の精油Bに既にAという成分が十分に含有されていた場合には、同一成分の「オーバードース
(過剰)」状態になるだけで、よほど希釈して使用しない限り抗菌目的として精油Cとのブレンドにはあまり意味がありません。
つまり成分Aによる抗菌を目的としたブレンドとして考えるなら、無意味なブレンドになってしまいます(それぞれの精油に含有されるその他の成分を無視した場合です)。

一方で抗菌効果のあるAという成分を多く含んだ精油Bと、ZというAとは全く異なる抗菌成分を多く含んだYというオイルをブレンドした場合、AとZの間では補完関係が生まれ、抗菌効果をより高められる可能性があります。
この例としてはティーツリーオイルとマヌカオイルや、ティーツリーオイルラベンダーオイルなどの関係が挙げられるでしょう。
虫よけなら、メントールという成分を軸としたペパーミントオイルとシトロネラールという成分を軸としたレモンユーカリオイルの関係なども同じですね。

香りを楽しむアロマから、エッセンシャルオイルが持つ機能を活用するアロマへ。少し難しくなりますが、オイルの活用の幅がグッと広がりますから、ぜひ挑戦してみてください。

食用オイルとアロマ用のキャリアオイル その違いを知っていますか?


マカデミアナッツやアーモンド、グレープシード、オリーブ、キャノーラ・・・キャリアオイルと呼ばれる植物油には様々な種類がありますが、スーパーマーケットの食用油のコーナーで見かけることの多い名前もチラホラありますよね。
アロマ用のキャリアオイルは小瓶に入って高価ですから、それならばスーパーマーケットで購入できる安価な食用油でも代用できるのでは・・・と思ったことのある方もいらっしゃることでしょう。

結論から言いますと、代替は可能です。しかし、注意しなければいけない点がいくつかあります。
たとえばマカデミアナッツオイル。低温圧搾により抽出したオイルは、そのまま食用油となります。しかしこのオイルはナッツ由来の様々な粒子・成分が含まれることから、粘性が高い上、ナッツ独特の香りが強く、さらに酸化の影響を受けやすいため劣化が早いのです。
つまり、ナッツ香りが強い分だけエッセンシャルオイルの希釈に利用しても、香りに大きく干渉します。また粘性、つまりベトつきが強いため、マッサージでの使用にも適していません。きっと、すぐにシャワーで洗い流したくなることでしょう。さらに酸化による香りと品質の劣化も早いので、早めに使い切ってしまう必要があります。

一方、化粧品グレードのマカデミアナッツオイルでは圧搾の後にもう1工程の処理が加えられることで、ナッツの香りが抑えられ、粘性も低く抑えられて、マッサージで使用してもサラリとしています。勿論、1年以上の長期保存をしても酸化がほとんど進みません。
オーストラリアでは有名サロンを含めて、マッサージにほぼ必ず化粧品グレードのマカデミアナッツオイルが利用されているのは、コレが理由なんですね。

食用油は安価ですが、アロマ用途のキャリアオイルとは名前は同じでも、その中身にはかなり大きな違いがあることがお分かりいただけることでしょう。

スポーツバッグ、ランニングシューズ・・・ニオイ対策にはティーツリースプレーが効果的


スポーツといえば汗。そして汗といえば気になるのがニオイですよね。
ユニフォームなど簡単に洗えるものであれば良いのですが、シューズやバッグ、そして用具などにはどうしても『汗のニオイ』が残ります。

こんなとき、使えるのがティーツリーのスプレー。もちろんティーツリーの香りでニオイをごまかすものではありません! ニオイの主な原因は汗そのものではなく、そこから増殖する雑菌が生み出すもの。ティーツリーの抗菌成分でニオイの元を退治してしまうことで、対処できるのです。
スプレーは水やエタノールを使って希釈する方法で自作できるほか、「ティーツリーのダニ駆除スプレー」を使う方法も。この商品は本来、ダニ駆除を目的に開発された経緯がありますが、ティーツリーオイルの抗菌成分がたっぷり含有され、さらにシミになりにくいレシピですから、靴やスポーツ用具のニオイ対策にも効果的なのです。
ランニングの後のシューズのケアにも便利です。

画像のようなスポーツバッグも、汗をたっぷり含んだユニフォームや用具を入れて運びますから、だんだんとニオイが気になります。スプレーして一晩、そのまま乾燥させるだけで十分な効果がありますから、お試しください。

ダニ退治に簡単で効果的なのはティーツリーオイルの活用


ダニ退治。ハエなどと違って容易に目に見える存在ではありませんから、その駆除効果もなかなか判断が付きませんね。さらに、カーペットや畳などに使用する場合には広範囲に駆除剤を散布する必要がありますから、殺虫剤などは避けたいところ。

そこで活躍するのがティーツリーオイルです。人への毒性もありませんから、枕や布団などの寝具にだって安全に使えてしまいます。愛犬の寝床のダニ退治もコレでOK。

駆除には専用の「ティーツリーのダニ駆除スプレー」を利用するのが最も簡単な方法。コレ1本で6畳ほどのお部屋なら3部屋に使えます。
もっと広範囲に使うなら自作する方法も。スプレー容器に水とオイルを加えて、撹拌しながらスプレーする方法なら、簡単ですね(スプレーの作り方レシピはこちら)。

ティーツリーオイルはスプレー内の溶液の濃度が1%もあれば、ほぼ確実にダニ駆除効果が期待できますので、積極的に活用してみませんか?

カーペットや畳で使う場合には、スプレーの後に換気をしながらしっかり乾かして、最後に掃除機でのお掃除をお忘れなく。寝具は外干しがオススメです。

抗菌に役立つオイルと言えばこの2つ!


抗菌効果のあるエッセンシャルオイルとして、最もよく知られているのが、オーストラリア産のティーツリーオイル、そしてニュージーランド産のマヌカオイルの2種ですね。

これらの植物は共にフトモモ科に属する近似種なのですが、抗菌効果の源泉となる成分はそれぞれに全く異なっています。

ティーツリーオイルの抗菌は主に「テルピネン4オール」という成分。大変強い成分で、水虫などにも高い効果が知られています、またこの成分を濃縮したエッセンシャルオイルを使えば、内服薬の服用以外に治療が困難とされる爪水虫の退治にも効果が見られるほど。

そしてマヌカオイル。こちらの抗菌成分は「レプトスペルモン (leptospermone)」を中心としたトリケトンと呼ばれる成分群。全体的に刺激の強い成分の含有が少ないため、愛用している方も多いオイルです。ただし、特徴的な香りがありますので、「香りを楽しみたい」という方にはあまり人気のあるオイルではありません。

2つの全く異なる方向から抗菌アプローチができますので、もしどちらか一方の効果が十分に感じられない場合などには、この2つのオイルを併用する選択肢も。

ただし、どちらのオイルも大変強い成分が含まれていますから、適度な希釈で、安全に使用するように心がけることが重要です。

わずか1滴で驚異の効果! ティーツリー・抗菌エクストラクトの抗カビ実験

ティーツリーファームズでは2019年6月26日より『ティーツリー・抗菌エクストラクト』による抗カビ実験を実施しました。今回の記事はこの実験レポートです。

 

【実験方法】
プラスチック製容器に食パンとコットンを封入し、更にビニールで密封。冷暗所に保管してカビの発生と増殖を観察する。

コットンは以下の5種類を用意し、食パンと一緒に封入した。
・何も滴下しないもの
・『ティーツリー・抗菌エクストラクト』1滴(0.05ml)を滴下したもの
・『ティーツリー・抗菌エクストラクト』3滴(0.15ml)を滴下したもの
・『ティーツリー・抗菌エクストラクト』5滴(0.25ml)を滴下したもの
・『ティーツリー・抗菌エクストラクト』10滴(0.50ml)を滴下したもの

【実験の経過】
2019年6月26日(実験開始)

2019年7月6日(実験開始より10日目)
何も滴下していないコットンを封入した容器に入ったパンの表面に青色のカビの発生を確認。他の容器にはカビの発生はなし。

2019年7月10日(実験開始より14日目)
何も滴下していないコットンを封入した容器に入ったパンの側面に白色カビの発生を確認。表面の青色のカビも約2倍の面積まで拡大。
他の容器にはカビの発生はなし。

2019年7月18日(実験開始より22日目)
何も滴下していないコットンを封入した容器に入ったパンの側面に白色カビは約4倍に拡大。表面の青色のカビも更に2倍の面積まで拡大。
他の容器にはカビの発生はなし。

上の画像は7月18日(22日目)に撮影

【実験結果】
2019年7月18日の時点で、カビの発生が確認されたのは何も滴下していないコットンを封入した容器のみでした。
『ティーツリー・抗菌エクストラクト』を滴下したコットンを封入したすべての容器ではカビの発生はなく、このエッセンシャルオイルによる強い抗カビ効果が確認できたとの実験結果と結論を得ました。


今回の実験ですが当初、『ティーツリー・抗菌エクストラクト』の滴下数別によるカビ発生状況の比較も同時に想定していました。
しかし『ティーツリー・抗菌エクストラクト』を滴下した全ての容器でカビの発生が全く無かったため、この比較実験は失敗に終わりました。

結果として『ティーツリー・抗菌エクストラクト』の、わずか1滴の量で得られる十分な抗真菌・抗カビ効果が確認できました。

上の画像は7月16日(20日目)に撮影

▽続編記事
その後、さらに9週間(合計で12週間)放置したところ、驚異の結果が!

市販のディフューザーで機能性アロマ(無印良品さんのディフューザー)


ティーツリーオイルの抗菌成分で知られる、テルピネン4オール。これを一般的なティーツリーオイルの2倍以上も含有しているのが抗菌エッセンシャルオイル『メディフレグランス』です。

この優れた抗菌成分を活かす方法は空間への拡散。使用するのはディフューザー。
抗菌専用ディフューザーを利用する方法もありますが、今回はより安価な市販のディフューザーを利用してみました。
今回利用したのは無印良品さんのディフューザー。噴霧量も十分です。間欠運転のオプションはなく、連続で最長3時間の連続運転が可能です。

抗菌エッセンシャルオイルを10滴ほど加えて20畳ほどのスペースで使用しましたが、抗菌成分をたっぷり含んだ香りは十分に拡散され、満足のいく使用結果でした。

寝室で使用する場合には就寝時間を通しての運転はできませんが、気密性の高いお部屋であれば3時間の連続運転であっても十分効果的かも。
また、日中のリビングでの利用であれば、この連続運転時間でもあまり問題を感じることはないかと思いました。