アリがゾロゾロと来た? ならアリが嫌うレモンマートルの香りを活用しよう!


オーストラリアはハエが多いことで有名ですが、同じように多いのがアリ。様々な種類のアリがいて、もちろんその数も膨大です。
つい先日、屋外に置いてあるゴミ箱を見ると、数百・・・きっと数千匹はいるでしょう、十数メートルに渡ってアリが数珠つなぎになって巣とゴミ箱の間を往復していました。そしてその一部が屋内への侵入を始めている・・・こうなると、普通は殺虫剤で駆除となるのでしょうが、これだけの数のアリを殺してしまうのも残酷で、気が引けます。で、利用したのがレモンマートルオイルでした。
レモンマートルの香りはコバエが嫌う香りだということは以前にもご紹介(過去記事)しましたが、同様にアリにも効果があるのではないかと考えたからです。

結果、大きな効果が見られて大成功。
使用方法はコバエのときと同じ方式で、キッチンペーパーにレモンマートルオイルを10滴ほど、少し多めに滴下したものをゴミ箱に投入して蓋を閉めるだけ。その後、経過を観察すると徐々にアリの数は減少し、最終的にはゼロに。
ゼロになった段階でゴミ箱をお掃除すれば犠牲を払うことなく、ゴミ箱のメンテナンスは完了です。

ちなみに複数回、同様の実験をした結果、レモンマートルオイルにエタノールを加えて、より気化しやすい状態で使用すると、さらに効果が早まるようでした。

ところでアリがたくさん屋内に入り込んできたときには、レモンマートルオイルをエタノールで5倍ほどに希釈したものをスプレーで使用したところ、やはり数分でアリの侵入を止めることができました。

アリに困っている皆さんにおすすめの活用方法です。

エタノールで希釈されたエッセンシャルオイルのリスクを考える


市販のエッセンシャルオイルのうち、その一部はエタノール(アルコール)を使って希釈&水溶化されています。その理由はコストと技術的な理由。
エタノールは安価な上、種類を問わずエッセンシャルオイルと混ざりやすいのです。つまり水溶化剤としてあまり技術がなくても簡単に利用できる・・・。
ちなみにエッセンシャルオイルは植物ごとにその成分構成が大きく異なることから、エタノールを使用せずに希釈・水溶化する場合、オイルの種類によっては白濁したり、うまく混ざり合わず水溶化できないことも多く、技術的にその開発は難しくなります。

一方でエタノールを利用して希釈・水溶化することによるデメリットは3つ。
1つ目はアルコールが香りに干渉すること。アルコールが持つ臭いが強いため、穏やかに香るエッセンシャルオイルに混ぜた場合、残念ながらその香りは台無しになってしまいます。
2つ目は体への刺激。エタノールの成分が肌や目、粘膜などに対して強い刺激を与えるため、香りを強くするために濃度を上げて使ったり、長い時間連続使用するとチクチクと刺激を感じることがあります。
3つ目は引火性。エタノールは常温でも引火しますので、火気厳禁。ほとんどのエッセンシャルオイルよりもエタノールの引火点は低いので、実はピュアオイルよりもずっと危険なのです。キャンドル式のアロマランプを使うような場面ではその使用は絶対に避けるべきでしょう。

このようなことから、掃除や除菌を目的に水で希釈して使用するような場合は別として、香りを楽しむ目的ではエタノール希釈されたオイルの使用はあまり良い選択とは言えないのです。

「脂溶性」のエッセンシャルオイルという表現に感じる違和感


水溶性のエッセンシャルオイルを専門に販売しているお店のページにあった「脂溶性」という言葉。水溶性の自社取り扱い商品に対して、水溶化されていない「普通のエッセンシャルオイル」を「脂溶性」と表現しているものでした。
正直なところ、エッセンシャルオイル関連の世界ではあまり耳にすることのない表現で、違和感をおぼえるものでした。
この「脂」という表現では、一般の多くの方はラードのような動物性オイルをイメージするのではないでしょうか。こんなイメージと結び付けられると、水溶性オイルのほうがなんだか良い物のように感じられる・・・曲解かもしれませんが、なんだか水溶性以外のエッセンシャルオイルのイメージ悪化を狙った少し悪意を含む表現にさえ思えて、スッキリしません。
ちなみに本来の漢字の意味から「脂」は動物性・植物性を問わないようですが、常温で固体であるものを指すそうで、現在はもっぱら動物性のものを示す場合が多いようです。

常温で液体の場合には「油」とするのが正しく、キャリアオイルとして知られるマカデミアナッツオイルやアーモンドオイルについては「油」と表現されるとのこと。
このことからキャリアオイルで希釈される「普通のエッセンシャルオイル」の場合、水溶性に対するなら油溶性と表現されるのがより適切なのではないかと思います。この方がなんだかスッキリしますよね。

肌についちゃった? エッセンシャルオイルを素早く安全に除去するには?


エッセンシャルオイルのブレンドを作ったり、オイルを活用した様々なグッズの自作の時など、いつもより多めにオイルを取り出して使用する際、肌にべっちゃりとオイルが付着してしまった・・・そんな経験はきっと多くの方にあるかと思います。
ティーツリーラベンダーなど、比較的刺激成分の少ないオイルであればそのまま拭き取ったり、水で洗い流すだけで、ほとんどの方には影響は出ないのですが、たとえば高濃度でシトラール成分を含有するレモンマートルなど、いくつかのオイルは肌に強い影響を与えるため早急に、しっかりと除去する必要が出てきます。
オイルの除去といえば石鹸洗いなどをイメージしますが、こんな時にオススメなのがキャリアオイル。エッセンシャルオイルを希釈するために用いられるオイルですから、キャリアオイルで「洗う」ことで肌に付着したエッセンシャルオイルを素早く溶解し低濃度化・除去してくれるのです。
アロマ用のキャリアオイルが手元にない場合でも大丈夫。こんなときにはキッチンにあるサラダオイルや、オリーブオイルなど食用油で代用しても問題ありません。

リスクの高いエッセンシャルオイルが肌に付着したときには、まずキャリアオイルや、代用となる食用油を利用して付着したエッセンシャルオイルを素早く低濃度化・除去してから、石鹸で洗い流しましょう。

エッセンシャルオイルは本当に水に溶けないのか?


エッセンシャルオイルは水に溶けない・・・オイルですからこれは当然の事として理解されていいます。

しかし、過去に100円ショップなどのディスカウント雑貨店などから水溶性のオイルを詰めたボトルが「エッセンシャルオイル」として大量に売られていた時期があり、これを利用していたお客様より「ティーツリーファームズのエッセンシャルオイルは何故水に混ざらないのか?」といったお問い合わせを何度も受けたことがありました。

さて、このエッセンシャルオイルは「水に溶けない」という話ですが、果たして本当でしょうか? というのが今回のテーマ。
実はその成分の一部は水に溶解する事があります。「エッセンシャルオイル」とひと括りにしていますが、実は多くの化学成分の集合体です。このうちの一部の成分は水に溶解する事があるのです。親水性の高い物質はそのまま水に溶けてしまいますので、水蒸気蒸留法など水を使って抽出するとオイルの成分には残りません。水に溶けにくい成分の場合、その一部が水に溶解して、残りがオイルに残留します。ちなみに、この工程で生まれた、精油の成分を一部含む水が「ハーバルウォーター」などと呼ばれるもの。ローズウォーターなどが代表例ですね。

もちろん、水に全く溶けない成分もあります。ティーツリーオイルに多く含まれる抗菌成分「テルピネン4オール」などがその例。その結果、あれだけ強力な抗菌力で知られるティーツリーオイルを蒸留したあとに残るティーツリーのハーバルウォーターには抗菌成分が全く含まれないため、この水はすぐに腐敗してしまいます。
実際、この事を十分理解しないままに「ティーツリーウォーター」を配合して化粧品を製造しようとした会社がありましたが、流通段階で製品にカビが生えてしまって断念した、という事件が過去にありました。

オーストラリアでも精油の知名度はほぼゼロ・アニスマートルオイル


アニスマートル。アニスシードマートルという別名があること植物は、レモンマートルの近似種で、セリ科の1年草のアニスとは全く違う植物です。

一方で、この枝葉から抽出されるオイルはアニスシードオイルにその成分構成がそっくり。優れた鎮静効果も同じです。

アニスマートルは、この木の原産地であるオーストラリアにおいても知名度が低く、ドライハーブがスパイスやハーブティーでわずかに用いられている程度。専門店やちょっと特別な商品を取り扱っているお店から入手できますが、一般の大型量販店やチェーン展開する大きなスーパーマーケットで見かけることはまずありません。

こんなアニスマートルですから、当然そのエッセンシャルオイルも知名度はほぼゼロ。よほどオーストラリアの精油に精通している方なら知っているかもしれませんが・・・。
オイルはその生産量も限られているため入手は極めて困難。加えて、樹木内のオイルの含有量も少ないため、生産者にとっても「ドライハーブで売ったほうが儲かる」植物ですから、あまり積極的に生産が取り組まれていないエッセンシャルオイルです。

もっとも、これからブレイクする可能性もありますので、ティーツリーファームズのオンラインショップから気軽に入手できる今のうちに試してみるのもオススメです。

ハーベストは7ヶ月に1回・レモンマートル農園


一列に並んだレモンマートルの木。まるで生け垣のように、木の間に隙間なく、つながっているように植栽されています。
ハーベストでは列の両方向からそれぞれ斜めに刈り取られるため、列の断面を見ると、三角形のおにぎりのような形になっています。以前訪問した他のレモンマートル農園さんでは普通に四角く刈り取っていましたが、こちらの農園さんによると、この刈取りの方法のほうが、ハーベストの作業がより効率良くなるのだそうです。

この農園さんではおおよそ7ヶ月に1回、ハーベストが行われますが、今年は雨が少ないため生育が悪く、ハーベストの間隔は長くなっています。ここで無理にハーベストすると、木を傷めてしまいますから、無理は禁物です。

近年のハーブティーのブームもあって、この農園を含め現在のレモンマートル農園の主な出荷商品はドライハーブ。エッセンシャルオイルはバイプロダクト、つまり副産物的な位置付けです。こんな事情もあって、オイルの入手は以前に増して難しくなっています。

しかし、ティーツリーファームズでは農園さんからの直接の取引・サポートを受け安定した出荷を継続していける体制を整えていますので、これからも安定してお客様にレモンマートルのエッセンシャルオイルの素敵な香りをお届けさせていただく予定です。

アニスマートルの花が咲きました


アニスマートル(別名:アニスシードマートル)の花が咲きました。
レモンマートルの近似種の植物ですので、花の形も似ていますね。

アニスマートルは、そこから抽出されるオイルの成分構成がアニスシードオイルに似ていることから、このような名前がつけられました。
成分構成が似ていれば、その香りもとても似ています。ただ、セリ科の一年草であるアニスと違って、アニスマートルは樹木ですから、そこから抽出されたオイルにはグラス(草)オイルに独特の「青臭い香り」がありません。

リコリス菓子に代表されるアニスの香りは、コリアンダーと並んで日本ではあまり人気のある香りではありません。
しかし、その成分には優れた鎮静効果が知られており、この青臭さを取理除くことで受け入れやすく感じられるなら活用範囲がグッと広げられるかもしれませんね。

2019年・今年もティーツリーの花が満開になる季節です

今年は3ヶ月以上、雨がほとんど降らない厳しく乾燥した春を迎えました。
でもティーツリーの花は何もなかったかのように、例年通り枝先に白い花をたくさん咲かせています。
厳しい自然環境で牧場の牧草が茶色く枯れてしまっているような環境でも、オーストラリア原産のティーツリーの生育には全く影響がありません。

エッセンシャルオイルによるスチロール樹脂の溶解・腐食実験

一部のエッセンシャルオイルはスチロール系の樹脂(プラスチック)に対して、とても強い影響を与えることが知られています。そのため、こうした作用の強いエッセンシャルオイルをスチロール製の容器に保管した場合、容器が溶解したり、割れてしまったりする場合があります。

今回は発泡スチロールのキューブに対して、ティーツリーラベンダーペパーミント、オレンジの4種類のオイルをそれぞれ5滴滴下し、その経過を観察する実験を行いました。

【滴下前の様子】
並び順は以下の通り
上段 ティーツリー ・ ラベンダー
下段 ペパーミント ・ オレンジ

 

【滴下して10分後の様子】
リモネンの作用により激しく樹脂を腐食することで知られているのが柑橘系のエッセンシャルオイル。右下のオレンジが今回、これに該当します。
予想通りに激しい腐食を確認できますが、ティーツリーやラベンダーもこれに次いで激しい腐食・溶解作用があることが確認できました。
ペパーミントではほとんど変化は見られません。

 

【滴下して90分後の様子】
画像を撮影したのは90分後ですが、実際には60分後で既にこれと変わらない状態になっていました。
ティーツリーはオレンジと同じようにスチロール樹脂を激しく腐食・溶解しています。
ラベンダーは少し異なり、よく観察すると溶解させると同時に玉状の樹脂の結合部分をほぐして、キューブをバラバラにしていく様子が確認できました。
以前にスチロール製の容器にラベンダーオイルを入れた際、突然割れてしまったケースを紹介しましたが、この作用に関係しているのかもしれません。
ペパーミントでは僅かな溶解が見られましたが、ほとんど影響を与えませんでした。

 

【実験のまとめ】
全てのエッセンシャルオイルがスチロール系の樹脂に対して強い影響を与えるわけではありませんが、オイルの種類によっては激しい腐食と溶解作用があることが確認できます。
エッセンシャルオイル、そしてこれらから作ったブレンドオイルや希釈オイルなど様々なものを保管する際には、その容器の材質、そしてキャップの材質を確認することが重要です。