ドアノブやテーブル、そのほか人が触れる様々なモノの除菌・抗菌が不可欠になってきました。
除菌・抗菌といえばティーツリーオイルが広く活用されている分野なのですが、では、実際にどのように、そしてどの程度の濃度で使えば良いのか・・・今回はこんな疑問への答えをまとめてみたいと思います。
除菌・抗菌を目的としたスプレー液等、多くの除菌・抗菌剤はアルコールを基材にしたものです。アルコールはすぐに気化するため使用後の違和感・ベトつき感が残らないことから使いやすいイメージがあるのですが、アルコール成分の気化と同時にその除菌・抗菌効果もすぐに失われてしまうことに留意すべきでしょう。
これに対して、ティーツリーオイルは表面に残留してして4時間の抗菌効果持続が知られています。より長い抗菌効果が期待できることから、即効性の抗菌効果が期待できるアルコールに対して持続的効果が期待できるティーツリーの併用が注目されています。
このことから、アルコールに対してティーツリーオイルを組み合わせた使用方法が検討されます。
この時のティーツリーオイルの濃度ですが、オーストラリアンティーツリー産業協会(ATTIA Ltd)によりますと、人体への使用においては5%の濃度を最大値として検討するよう推奨しています。一方でティーツリーオイルの使用に詳しいオーストラリアの薬剤師によれば、体質によっては発赤等の反応を示す場合があるため、ティーツリーの濃度は1%をベースに設計し、最大でも3%以内に抑えたほうが安全だとの認識を示しています。
人体ではなく、モノを対象にした除菌・抗菌であれば5%を超えた濃度での設計も可能ですが、既に研究によって知られているティーツリーオイルの抗菌・抗真菌効果のために必要な濃度に関するデータを参考に検討するなら、ほとんどのケースで1〜3%の濃度でも十分な効果が期待できることがわかります。
ティーツリーオイルはそのままアルコールに溶解しますので、これらを混ぜ合わせることは難しくありません。一方で高濃度のアルコールは除菌・抗菌作用がある一方で、同時に強い刺激があるため、狭い空間での多量の使用には適しません。
アルコールによる抗菌・除菌作用に依らず、ティーツリーオイルによる抗菌作用の活用を考えて設計するなら、水で希釈する方法が安全な選択肢と言えるでしょう。この場合、利用できるのが水溶性のティーツリーオイルです。ティーツリーファームズの『水でうすめてつかえるティーツリーオイル(15%)』であれば10倍の希釈で1.5%濃度のティーツリー水溶液が作れる計算です。一般家庭の身の回り品の除菌・抗菌であれば十分な濃度といえるでしょう。またアルコール成分を含まない水溶液であればマスクにスプレーして活用することもできます(マスク用のレシピははこちらのリンクから)。
抗菌に優れたティーツリーオイルですから、使用場面に応じた適切な素材を選択して適度な濃度で設計&使用を検討してください。