【香りの特徴】
ペパーミントの葉を水蒸気蒸留する事により抽出されるのがペパーミントオイルです。ペパーミントの香りといえば歯磨きやガムなどでどなたにも馴染みのある香りかと思います。大変刺激の強い香りですのでその違いを感じにくいのですが、実は比べてみると結構、産地によって香りに違いがあります。
日本には北米やヨーロッパ産のオイルなどが多く流通しているようです。これらの産地のオイルの多くがスパイシーな「辛口の香り」なのに対して、オーストラリアンペパーミントは「甘さを強く感じさせる香り」が特徴。その理由はスパイシーを感じさせる香りの初端部分の刺激が少ないため、メントールが持つ澄んだ清涼感が遮られることなく楽しめるからです。
このことから、初めてオーストラリア産のペパーミントオイルを試された多くのお客様より『深呼吸したくなる爽やかで優しい香りがする』といった感想をお送りいただいています。
実はこのオーストラリアンペパーミント、その優れた香りからTea Tree Farmsの出荷オイルの中でも特にアロマスクールやプロのセラピストを含む、プロユーザー向けに出荷の多いオイルとなっています。そのため、気づかないうちに、既にこの香りに出会っておられる方も多くいらっしゃることでしょう。
ペパーミントオイルの特徴と言えばメントールの成分。スッとするあの特徴的な香りの源泉です。ただ、刺激の強い成分でもあり、芳香であっても高濃度で使用すると肌にチクチクと刺激を感じることさえありますので取扱には少し注意が必要かもしれません。同じ香りを連続使用しますと香りに対して慣れが生じ、その結果、使用濃度が高まる傾向がありますので、スペアミントなど他のミント系の香りと交互に使用したり、ブレンドによって香りに変化を加えて使用することもお勧めします。
【精油の作用】
アロマの分野ではペパーミントの香りには集中力を高めてくれる効果があるとされていますが、数年前にアメリカの大学による研究結果でこの事が裏付けられたことが大きなニュースになっていました。これ以降、学習や仕事などで集中したい場面で使用する方が増えています。また、長時間の車の運転などにも適しているとされ、同時に同乗者が車酔いするのを防いでくれる効果も期待できます。
ペパーミントオイルには吐き気を抑制してくれる効果が知られていますが、同時に胃腸の働きを整えてくれる効果があることが知られています。オーストラリアにおいては胃腸がすぐれない患者向けに、薬剤師がペパーミントオイルを水で低濃度に希釈し、内服薬として処方することもあります。
さらにペパーミントオイルの成分は蚊が嫌うため、虫除けとしての効果も期待できます。以前紹介したレモンユーカリやレモンセントティーツリーとはまた違った成分によるアプローチとなりますので、これらをブレンドする事により、より一層強力な虫除け効果が期待できます。
【香りの楽しみ方】
ペパーミントオイルは比較的用途の広いオイルですが、香りには強い特徴がありますので、芳香を目的としたブレンドに使用する場合には「主役」としての採用となるかと思います。もう少し控えめなミントの香りをお探しの場合にはスペアミントオイルが選択肢になることでしょう。
他の精油とブレンドする場合には同程度の突破力のある香り(トップノート)を選択しなければペパーミントの香りにマスクされてしまいがちです。選択肢としてはレモンマートルオイルのほか、オレンジやマンダリンといった柑橘系の香りとのブレンドがお勧めです。