2022年6月にイタリアの研究者が発表した、ティーツリーオイルのコロナウイルスに対する強い不活性化(ウイルスを死滅させる作用)を示す研究結果が注目を集めています。
研究ではティーツリーオイルをエタノールを用いて蒸留水で希釈した溶液を消毒剤として、ネココロナウイルス (FCoVII) とヒトコロナウイルス OC43 (HCoV-OC43) に対して使用する方法で実験が行われました。
この実験結果より、ティーツリーオイルの濃度が3.33%の場合で、5分後に83.41%、30分後に95.83%の不活性化が確認され、市販の消毒剤(5分後で99.26%)に匹敵する効果があることが示されました。また、テルピネン4オール(当社商品ではのティーツリー抗菌エクストラクトに相当)を3.33%の濃度で使用した際の5分後の不活性化率は99.29%と、消毒剤を上回る結果となりました。
この論文ではコロナウイルスは、空気または汚染された表面との接触によって伝染する可能性があり、エアロゾル(気体中に浮遊する微小な液体)では最大3時間、段ボールの表面では最大24時間、ステンレスやプラスチックの表面では最大2~3日間ウイルス粒子を検出できることを示し、水を利用して5%に希釈したティーツリーオイルを利用することで、抗ウイルスの消毒剤として効果的に利用できる可能性を示しています。
この場合、『水でうすめてつかえるティーツリーオイル』を水で3倍に希釈した水溶液をコロナ対策としてスプレーで利用できる可能性を示しています。
さらにティーツリーオイルは空気中でエアロゾル化された蒸気の形でインフルエンザウイルスを不活化するのに非常に効果的であることが証明されているとして、室内空気質改善における消毒剤としての使用の可能性があることを示唆している、と結論付けました。これはティーツリーオイルや抗菌エッセンシャルオイルを拡散力の強い超音波式のディフューザーや加湿器を利用して屋内に拡散する方法に効果が期待できることを示しています。
ティーツリーオイルのコロナウイルスに対する抗ウイルス効果は以前より専門家の間で論理的にはその効果が期待されていましたが、今回の研究者による実験データにより、これが裏付けられる情報となりそうです。
【研究論文の原文】
Potential Use of Tea Tree Oil as a Disinfectant Agent against Coronaviruses: A Combined Experimental and Simulation Study
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9228983/