エッセンシャルオイルの希釈に用いられるのがキャリアオイルと呼ばれる植物油。植物油とは言っても、食用油とは品質、使用感も香りも大きく異なります。マッサージなどで量的に主体となるのはエッセンシャルオイルよりもキャリアオイルのほう。ですから、キャリアオイルの選択ではエッセンシャルオイル以上にその品質にこだわって選択することが重要といえるでしょう。
こんなキャリアオイルのうち、オーストラリアで広く一般的に用いられるのがマカデミアナッツオイル。もちろん食用オイルではなく、精製されたコスメティックグレード(化粧品用途)の特別なオイルです。コストパフォーマンスに主眼を置くなら同じく精製されたアーモンドオイルの方が優位なのですが、べとつきが少なく肌にスッと浸透していくような使用感で選択するならマカデミアナッツオイルの優位性は揺るぎません。そのため、都会の高級スパリゾートから田舎のマッサージ治療院まで、オーストラリアでマッサージオイルのベースとして採用されるのは『コスメグレードのマカデミアナッツオイル』のほぼ一択になっています。
べとつきを感じさせない優れた使用感に加えて、ナッツの香りがほどよく抑えられている点も、ラベンダーなどの香りが多用されるマッサージ用途では優れた点になるのでしょう。
なお、ホホバオイルでは栄養価の高い未精製のゴールデンホホバオイルが人気なのですが、マカデミアナッツオイルにおいては未精製のオイルはべとつきが強い上、酸化の影響を受けての腐敗が進みやすく長期保管に適さないなどと言ったデメリットが多いため、オーストラリアにおいても主に食用としてしか採用されることがありません。