しばしば混同されるのがレモンユーカリと(一般的な)ユーカリ。
もちろんどちらもユーカリ種の木から抽出されたエッセンシャルオイルなのですが、その香りも成分構成も全く異なります。
一般的にユーカリオイルとして知られているのはグロブルス種やブルーマリー種などのオイルで、ツーンとする特徴的な香りで知られています。「シネオール」「ユーカリプトール」などの名前で知られている成分に由来する香りです。
この成分は多くの種類のユーカリオイルに含まれているのですが、例外的にレモンユーカリにはほとんど含まれません。そのため、香りも成分構成も全く異なる存在なのです。
レモンユーカリの最も大きな特徴はシネオールに代わって、シトロネラールと呼ばれる、虫除けに強い効果を示す成分を非常に多く含むこと。この成分にはシネオールにような刺激的な香りはありません。
さらに「レモンに似た香り」ということでレモンユーカリの名前がつけられていますが、残念ながらこれはレモン果実や果汁をイメージさせるような爽やかな香りではなく、例えるなら『レモン香がつけられたキッチンの中性洗剤』のような香り。さらに他に例えるなら『山椒』に似た香りともいえるでしょう。
ところで、こんな事実を理解していない記者が書いたメディア記事などではしばしば、ユーカリオイルとしてこれらを混同しているものを見かけますので、レモンユーカリについてはユーカリ種の中でも少し特別なオイルとして、理解しておくことが重要と言えるでしょう。