希少種とされるエッセンシャルオイル。こうしたエッセンシャルオイルはオイルの生産量が少ないのと同時に、その生産者の数も少ない、という現実があります。つまり、その生産者が生産を止めてしまった場合、誰かが他の場所で新たに生産を始めるか、ほかの誰かがその農園を買い取って生産を引き継がない限り、そのオイルは世界からなくなってしまう・・・
事実、今こうした「消滅の危機」に瀕しているエッセンシャルオイルはいくつもあります。たとえばネロリーナやロザリーナがその具体的な例。生産・供給が止まったり著しく減少した希少種のオイルは一気に値上がりが始まります。このほかレモンティーツリーオイルにように複数の生産者がいるにもかかわらず、人気精油であるがゆえ、生産量が相対的に不足し供給が安定しない例もあります。
ちょっと変わった例ではレモンマートル。こちらはハーブティーの人気が高まり、オイル生産からドライハーブ生産に切り替える農園が増えたことから、エッセンシャルオイルの供給不足と値上がりにつながっています。
このように、エッセンシャルオイルの需給バランスは、その香りと同様にとてもデリケードなのです。
※画像はレモンマートルの葉。このまま乾燥させるだけでハーブティーになります。