11月。ちょうど今がティーツリーの花の季節です。収穫時に根本まで刈り込まれる、プランテーション(畑)のティーツリーの場合には多くの場合、木の高さは2メートルに届きませんので、目の前で白いフワフワの花を見ることができます。
一方でその周囲などにある大きなティーツリー木の場合、直径が30センチ以上ある太い幹に5メートル以上の高さありますので、その花はすっと高い場所に。
ところで、こう聞きますと「どうして、周囲の木はプランテーションの木と一緒にハーベストされてしまうこともなく残って、大きく育ったのだろう」と疑問に思いませんか? その理由はケモタイプにあります。
ティーツリーの木からは、どれもが同じ質のオイルが抽出されるわけではありません。プランテーションに植えられた木は一定の品質レベルのオイルが抽出されることが明らかな木々。それに対して周囲に生えている天然木からはどんなオイルが抽出されるのか(とても良い品質のオイルが採れる木かもしれませんし、逆にすべてを台無しにしてしまうような、全く成分構成の異なる木かもしれませんし・・・)全くわかりません。
※同じ種類の木であっても、そこから抽出されるエッセンシャルオイルは全く異なる成分構成であることは珍しくないため、こうした違いを分類するために植物の種類に加えてケモタイプという分類が行われています。
ですから、プランテーションのすぐ横に育っているこうした天然木は収穫されることなく大きく育っているのです。
ちなみに私の友人の農園主さんも、試しにプランテーションに隣接した場所に自生していた天然木からオイルを抽出してみたのだそうですが、想像通り、全く異なる成分構成のオイルが抽出され、「商業価値ゼロだったね」と笑っていました。