印象として香りを捉えることは重要ですが、一方でこれを科学・化学的に捉えることでアロマの幅がぐっと拡がります。
たとえば虫よけ。レモングラスのオイルにほとんど虫除け効果がない、という話を聞いたことのある方は?
「いえいえ、たくさんのナチュラルな虫よけに配合されています」という声が聞こえてきそうですが、レモングラスのオイルを化学的に見てみると、残念ながら蚊が嫌う成分の含有が殆どありません。このオイルに多く含まれるのはシトラール(ゲラニアール、ネラールなど)という成分。一方、強力な虫よけで知られるのはシトロネラールという、これと似た名前の成分です。
事実、シトラール成分が全体の90%を超えるレモンマートルオイルにも虫よけは期待できず、虫よけに配合されることはありません。私自身、訪問したレモンマートル農園でたくさんの蚊に刺された経験があります。。。
こう聞くと、シトロネラールの含有が多い「シトロネラ」のエッセンシャルオイルなどが、その名前から最も適しているように思えますが(キャンプ用品店で売られている虫よけ効果のあるランタン用の燃料にはこのオイルが混ぜられています)、シトロネラールの含有量は20〜30%ほどで(この割合でも、十分な虫よけ効果が期待できます)、この割合はレモンティーツリーオイルと変わらないほどです。一方でレモンユーカリオイルには70〜80%のシトロネラールが含まれる・・・
このようにエッセンシャルオイルを捉えると違った光景が見えてきませんか?
エッセンシャルオイルを化学的に捉えることで、アロマがもっと広がって楽しくなる・・・これでおわかりいただけることでしょう。