今回は少し専門的なお話。
ラベンダーオイルにはリラックス効果があるとされ、またその殺菌効果から火傷などのケアにも有効とされていますが、この源泉となっているのがリナロールという成分。
このリナロールを含む、モノテルペンアルコール類は化学的分類上、比較的人体への毒性が低く肌にも優しいとされてます※。ちなみにティーツリーオイルの抗菌成分であるテルピネン4オールも同じモノテルペンアルコール類に区分されます。
このリナロール。たとえば2018年産のタスマニアンラベンダーには約38%含まれています。しかしこれと同等かこれを超える量のリナロールを含んでいるオイルが意外なところにありました。どちらもティーツリーと同じメラルーカ種の樹木から抽出されたオイルで、ロザリーナとニアウリLNCT。
ロザリーナは「ラベンダーティーツリー」という別名を持ち、でフローラルな香りが特徴。現在出荷中のオイルで約42%のリナロール含有量です。
ニアウリLNCT。こちらはリナロールとネロリドルという成分を中心に組成されるオイルを含有するニアウリのケモタイプの1つで別名はネロリーナ。現在出荷中のオイルで約30%のリナロールを含有しています。
*共に2018年6月の時点での出荷ロットの成分構成によります。ロットによりこの数値は大きく変わる場合があります
ラベンダーの香りを好む方やラベンダー以外にリナロールを多く含有するエッセンシャルオイルを探している方にはこれらが選択肢となるかと思います。
一方でリナロールは一部の体質の方にはアレルギー成分となり得る事が知られており、ラベンダーの香りが苦手な方にはリナロールに対する拒否反応が疑われる場合があります。
ここに着眼しているのがニュージーランド産のラベンダーオイルでリナロールの割合が15%程と一般的なラベンダーオイルの半分ほどしか含まれていないため、リナロールを苦手とする体質の方でも活用しやすいラベンダーオイルとして注目を集めるようになりました。
香りだけでなく、こんな化学的な目でエッセンシャルオイルを考えるもの面白いですよね。