オーストラリアのある老人医療施設での出来事でした。ケアマネージャーの方がお風呂の湯船に入れたのはティーツリーのピュアオイル。
ティーツリーオイルには殺菌効果と共にスキンケア効果があると聞いたこのケアマネージャーは利用者の皆さんに喜んでもらおうと、ティーツリーオイルを使用したのでした。
通常、お風呂に入れるオイルの量は1〜2滴。しかしエッセンシャルオイルに対する知識の乏しかったケアマネージャーは「たくさん入れれば、より効果があるのではないか」と誤解し、数十滴に相当する量を入れてしまいます。結果、オイルはお湯に溶けませんから、湯面に浮かんだ多量のティーツリーのピュアオイルが直接肌に付着し、強い刺激と共に発赤や湿疹などのスキントラブルを引き起こしてしまいました。
別のケースになりますが、アタマジラミの駆除と予防のために朝晩、ティーツリーのピュアオイルを希釈しないまま毎日、子供の髪に塗布したケースがありました。この子供の場合、確かにアタマジラミの問題からは逃れる事ができましたが、髪はいつも荒れて枝毛や切れ毛が絶えない様子でした。
これらの事例を通じてご理解いただきたいことは、ティーツリーオイルにはスキンケア、ヘアケア効果がありますが、適量を超えて使用すると逆に作用する事があるということです。これはティーツリーに限らず、ラベンダーオイルにおいて多量に利用することによりかえって不眠症に陥るリスクがあるなど、他のエッセンシャルオイルにも共通で言えることです。
「たくさん利用すると、より高い効果がある」と考えがちですが、実際には適量の利用が一番効果的なのです。