風邪予防を目的に噴霧していた加湿器のタンク内にレジオネラ菌が増殖し、これが原因となってレジオネラ菌感染が拡大してしまったという事故が先日(2018年1月)ニュースになっていました。病気を予防する目的で活用していた機器で逆に病原菌を散布してしまったという、大変残念な事故でした。
このレジオネラ菌。実はティーツリーオイルがその抗菌に有効であることは研究により既に知られています(研究データへのリンク)。つまりティーツリーの抗菌成分をうまく活用することで対策が可能になるかもしれません。
レジオネラ菌に対するティーツリーオイルの抗菌成分テルピネン4オールのMIC(Minimum Inhibitory Concentration :最小発育阻止濃度)については0.02〜0.125%という数値が過去の研究結果で明らかになっています。つまり、ティーツリーオイル・エクストラクト(テルピネン4オール 99%)をわずかに0.2%加えることでレジオネラ菌対策が期待できるという数値。同様に抗菌エッセンシャルオイル(メディフレグランス:テルピネン4オール 75〜80%)によってもほぼこれと同じ効果が期待できます。
なお、エッセンシャルオイルが使える機器の場合、タンク内にティーツリーオイルや抗菌エッセンシャルオイルを加えて噴霧することでタンク内の菌の増殖までも抑制できると思われがちですが、残念ながら抗菌成分は水溶化させない限り、そのまま加えてもは水に溶解しません。特に機器の運転を停止している状態では抗菌成分を含むオイルは水中に攪拌されず、水面に浮かんでいるだけ。これでは菌の増殖を抑える効果は限定的です(機器の運転中はオイルが細かく撹拌されるため一定の抑止効果が期待できます)。
こうした事故を防ぐためにもっとも有効なのはタンク内の水を毎回交換すること。ついつい注ぎ足して使ってしまいがちですが、これは絶対にしてはいけません。また、水を交換する際にタンク内をアルコールで10%程度に希釈したティーツリーオイルを利用してスプレーしてから水で洗浄する方法(これでタンク内の洗いにくい入り組んだ部分にも効果があるので)もオススメです。