ティーツリーファームズのエッセンシャルオイルの中で一番地味な商品だと思えるのが「オーストラリアン・ヒノキ」。芯材だけを使って水蒸気蒸留しているため、枝葉に多く含まれるヒノキ独特のスパイシーな香りも強くない、どちらかというと目立たない「ほっこり」した香りです。
しかし、こうした香りにはそれなりの役割があります。それはベースノートとしてブレンド全体を支える役目。
目立ちたがり屋さんばかりでは組織が成り立たないのと同じように、目立つ香りだけを混ぜ合わせてブレンドを作ったなら、何がリードしているのか分からない、混沌とした香りに仕上がってしまいます。かつて、ティーツリーとレモンユーカリ、ラベンダー、ペパーミントが混ぜられた虫よけブレンドを試したことがありましたが、個々には良い香りなのですが、ブレンドとしては使用に耐えられるような香りではありませんでした。
目立つ香りの背後に入って、それを引き立ててくれるのがベースノートの役目。オーストラリアン・ヒノキの香りはたとえはサンダルウッドの代役など、ブレンド全体を支え引き締めるような、そんな役割を与えてあげたいエッセンシャルオイルですね。