キャンドルや電気と使って熱で気化させて空間に香りを広げるアロマポット。そして、超音波を使った振動で水とともにエッセンシャルオイルをそのまま霧状にして空間に噴霧する超音波式ディフューザー。双方とも香りを楽しむ器具ですが、一つ大きな違いがあります。それは熱。
様々な成分で構成されるエッセンシャルオイル。水蒸気蒸留で抽出されているオイルの場合、(気圧を変化させて抽出した特殊な場合を除いて)理論的にはそのすべての成分は摂氏100度までで気化します。しかし、気化を始める温度は成分によってバラバラ。つまり熱を使って気化させるタイプのアロマポットでエッセンシャルオイルを空間に拡散した場合、気化しやすい成分から順に拡散されることになるのです。そのため、オイルをから直接感じられる香りと、ポットから立ち上る香りには違いが生じるほか、拡散が始まった時の前半の香りと後半の香りには差異が生じることになります。
対して超音波式のディフューザー。こちらは成分の気化温度にほぼ関係なく、エッセンシャルオイルがそのまま拡散されるので、香りにムラが生じにくいのが特徴です(厳密にはタンク内の水の温度は振動により上昇しますが、加熱式と比べて小さな温度変化ですので、無視して良い程度と言えるでしょう)。
一方でカルシウムを多量に含んだ水道水の利用に適さない(噴霧されたカルシウムが白い粉になって床面などに付着してしまう)場合があるほか、噴霧量の大きな器具の場合には湿度の高い状況では結露の原因となりやすい、などといった問題点もあります。