【レモンユーカリとは?】
その名前の通りレモンを思わせる香りを持つオイルが抽出されるユーカリで、ユーカリ・シトリオドラという学名を持ちます。オイルを抽出するまでもなく、葉を摘んで指先で潰せば独特のレモンに似た香りが立ちのぼります。
このユーカリの木は高さ10メートル以上にも成長し、葉も長く大きめ。樹皮が剥がれて白い幹が露わになっているものも多くある、樹木としては大きく、オーストラリアにおいては比較的見つけやすい木です。
【香りの特徴】
シトリオドラ種のユーカリから抽出されたオイルは一般的に「レモンユーカリ」「ユーカリレモン」などの名前で呼ばれます(精油メーカー・ブランドによって若干異なります)。
ただ、レモンといってもレモン果汁を思わせるような鮮烈な香りではなく、どちらかというと雑味と刺激のあるスパーシーな香り。「山椒」の香りに近いようにも感じられます。
それだけに名前からレモン果汁のような香りをイメージすると期待外れになる可能性もありますので、注意して下さい。
【精油の作用】
その成分は全体の7~8割をシトロネラールが占めます。これは蚊が嫌う成分で、非常に強力な虫除けの素材となり得ます。同様に多くのシトロネラールを多く含有するオイルにシトロネラオイルやレモングラスオイルがあり、これらも虫除けの素材として活用されていますが、レモンユーカリオイルはこれらのオイルを大きく上回る量のシトロネラールを含有していますので、虫除けの素材としてはレモンユーカリの方がより有効と言えます。
なお、「虫除けにユーカリオイルが効果的」という情報の元になっているのがこのシトリオドラ種のレモンユーカリのことで、この種以外のユーカリには虫除け効果はあまりありません。
一方で、一般的に「ユーカリオイル」と呼ばれるグロブルス種などのオイルに多く含まれ、独特のツンとする刺激的な香りの源泉となる1,8シネオールは1%未満しか含まれないため、喉や鼻のグズグズした症状を緩和してくれる効果はほとんど期待できません。
【精油の活用法】
香りに少しクセがあるため、芳香用としては好みが分かれるオイルですが、虫除けの素材としては高い人気があり、毎年、蚊が気になり始める5~6月頃より出荷量が急増します。
虫除けとしてはホホバオイルやマカデミアナッツオイルで20~50倍に希釈したものを肌に直接塗布する方法で使用できるほか、エタノールなどで10倍ほどに希釈したものをスプレー容器を使って網戸や蚊が隠れているバルコニーの隅などにスプレーする方法も。ディフューザーを使って拡散する方法もあります。
なお、このオイルによる虫除け効果は「蚊が嫌って近づいてこない」ものであって「蚊を殺す殺虫剤」ではありません。
芳香を兼ねた虫除けなら、ペパーミントオイルやラベンダーオイルなどとのブレンドにより、さらに虫除け効果を高めながら、楽しむのもお勧めです。