【レモンセントティーツリーとは?】
別名はレモンティーツリー。一説には葉がティーツリーと似ていると言うことでこの名前がつけられたと言われています。確かに一見すると似ていますが、樹皮はティーツリーの属するメラルーカ種のものとは大きく異なります。また花もティーツリーの花が綿菓子のようなフワフワしたものなのに対して、レモンティーツリーは全く異なる五角形のような花。この花の形状はLeptospermum種の植物にみられるもので、同じ種に属するマヌカの花と大変似ています。
実際のところはオーストラリアでは細かな品種にこだわらず、原生林に一緒に生えるメラルーカ種やLeptospermum種の植物を一括りにして全てティーツリーと呼んでいたことから(未だにそう呼ばれています)、「レモンみたいな香りのするティーツリー」という名前になったようです。
【精油の特徴】
この植物から抽出されるオイルはティーツリーオイルとはその成分も香りも大きく異なります。時折、名前から「香りは違うもののティーツリーオイルと同質」だと誤解されている方もおられるようですが、全く別物ですのでご注意下さい。
レモンティーツリーオイルはシトラル成分を中心に構成され、これらが全体の約4~5割。さらにシトロネラールが1~2割ほど含まれます。これらは蚊が嫌う成分として知られているもので、この結果、レモンティーツリーオイルには高い虫除け効果があります。シトロネラールを中心に構成されているレモンユーカリオイルにも同様に高い虫除け効果がありますが、レモンティーツリーの方がシトラル成分が多く含まれている分、柑橘系の香りが強く、香りの上で好まれる方が多いオイルです。この事からTea Tree Farmsがヒーリングスタイルで製造販売しています『ハーブの虫よけスプレー』もレモンティーツリーオイルを主成分にしています。
オイルの構成成分には植物によりかなりの個体差があるため、結果として生産する農園毎にオイルの構成成分に比較的大きな違いがみられます。ただ、シトラル成分を中心とした香りのためか、成分分析上は違いが大きく見えても、香りにはほとんど違いが感じられないオイルです。
【精油の活用法】
レモンティーツリーオイルには太陽光により肌にシミを作る「光毒性」はありません。そのため、手作りコスメや手作り石鹸などで柑橘系の香り付けをするのに適したオイルです。名前こそレモンと冠していますが、実際の香りは少し甘みを感じさせる、レモンとオレンジの中間ほど。強いレモンの香りを期待するならレモンマートルオイルの方が適しているかと思います。
抗菌については、穏やかな抗菌効果があることが知られていますが、しっかりと抗菌をするならやはりティーツリーオイルの選択をお勧めします。
【香りの楽しみ方】
ほのかにスパイシーな香りは他の精油とブレンドすることなく単体でも香りを十分に楽しめます。ブレンドならペパーミントやスペアミントなどのミント系の香りがお勧め。このほかブルーサイプレスとも良いコンビネーションがお楽しみ頂けます。
禁忌は特になく、穏やかながらメリハリのある香りで香りの持続時間も長いため、アロマ初心者の方にも比較的使いやすい精油です。