【香りの特徴】
ボトルを開封した瞬間から鮮烈な香りが立ちのぼる・・・そんなパワフルな香りを持つのがレモンマートルオイルです。
その名の通りレモン果実を思わせる香りを持つものの、レモンとは全く関係のないユーカリなどに近い種類の植物で、オイルはこの木の葉を水蒸気蒸留することにより抽出されます。
香りはレモンの果汁・果肉に似ているため、果皮から低温圧搾により抽出されるレモンオイルの代替とはなりません。一方でレモンオイルに強く残る果皮からの独特の苦味を感じさせる香りが無いため、むしろ果汁・果肉の香りに慣れた一般の方には「レモンオイルよりもレモンに近い香り」と感じられる、ユニークな存在です。
他の精油とのブレンドについてですが、このオイル自体が大変強い香りを持つため、少量でも他の香りを圧倒し、マスクしてしまう事が多々あります。刺激のあるミント系の香りとの相性は良いですが、それ以外の場合はごく少量のブレンドから試すのがお勧めです。
【精油の成分】
オイルはその構成成分の9割以上をシトラル成分が占めているため、香りが強い一方で成分も大変強いものとなります。この事から、使用者の体質によるものの、十分に希釈されないままに肌に触れると肌が赤くなったり、痒みを伴った湿疹などが出る事がしばしばあります。
また、ディフューザー等を使った空間への拡散で使用した場合においても、高濃度で使用すると肌に刺激を感じることもありますので、取扱には注意が必要です。
また、比較的酸化が進みやすいため、香りの劣化を防止するためにも長期保管が予想される時には予め小瓶に分けて密封するなど、酸化防止の工夫をお勧めします。
【精油の活用法】
成分は大変強いものの、オイルには毒性がないため、十分に希釈すれば食用としてさえも利用できます。例えばオーストラリアのレストランにおいては100mlほどのオリーブオイルに対して1~2滴加え混ぜ合わせたものを、魚料理やサラダなどに使用しています。
このほか、日用品用途としてレモンマートルオイルを活用した石鹸やでデオドラント、虫除けなども製造されています。しかしながら成分が大変強いため、他のオイルとブレンドしての活用が多いようです。
光毒性もないため手作りコスメなどの素材として活用できますが、あくまでも香りを加える事を目的とし、十分に希釈して使用する事が重要です。
【オーストラリアでは既にメジャーな香り】
レモンマートルオイルは日本ではまだあまり知られていないマイナーな存在ですが、オーストラリアにおいては食品や日用品の香りづけに活用されているため、既にメジャーな存在です。また、その葉はハーブティーとしても高い人気があり、世界的にも広く知られる存在となりました。
オーストラリア旅行をするなら土産物品店でレモンマートルを活用した石鹸やハーブティーなど様々な商品を目にすることができるでしょう。一般的なスーパーマーケットでもレモンマートルの香りを活用した食品や日用品に出会うことができます。
日本でも徐々に知名度が上がりつつある精油ですので、アロマに関心の深い方には是非一度お試しいただくことをお勧めします。