マイナーなエッセンシャルオイルの多くは家族経営の農園主のパッション・情熱に支えられて作られている場合がほとんどです。うまく採算が取れて商業的に成功するケースがある一方で、残念ながら品質が確保できなかったり、採算がとれるだけの十分な生産量が確保できなかったり、販路が見つからなかったり、と様々な理由で失敗・撤退してしまう農園も多くあります。
世界的に取引量の多いメジャーなオイルの場合、ISO・国際標準化機構(International Organization for Standardization)による品質規格が設けられていたりするため、その成分は比較的平準化されています。ティーツリーオイルがその代表的な例ですが、それでもまだその香りには結構な違いがありますよね。
一方でマイナーなオイルの場合、こうした規格がありませんから仕上がったエッセンシャルオイルは生産者ごとにその香りも成分構成も「別のオイルじゃない?」と言えるほどに大きく異る事が珍しくありません。さらに生産量が少ない分だけブレンド等によっての平準化も困難なため、生産年やロットごとによる差異も多く出る傾向があります。
顕著に現れるこうした差異に対して『本物?偽物?』などという疑念を持つ方もあるようですが、生産地の違いや生産者の違い(蒸留技術など、技量による差も含まれます)、植物ごとの個体差や気候変動の影響を強く受ける農業生産物であるという事実を理解すれば、特に生産量の少ないエッセンシャルオイルにおいて見られる差異は珍しいことではない事が理解できることでしょう。