同じ名前のエッセンシャルオイルでも、メーカーが変わるとその香りには大きな違いがあることは珍しくありません。
この最も大きな要因は産地の違い。たとえば誰もが知っているペパーミントの香りでも、北米産とオーストラリア産では大きな違いがあるのです。
さらに同じ産地のオイルであっても、生産年や生産時期、生産ロット毎にもその香りには違いがあります。特に生産年はその年の雨や天候などが作用し、比較的違いが大きく現れる要因ですね。
ティーツリー場合、常緑樹であり、加えて花や果実ではなく枝葉からオイルが抽出されるため、一年を通してハーベストが行われます。そのため同じ年の生産であっても年の前半と後半では気象状況や樹木の生育状況が大きく違うこともあり、そこから抽出されるオイルの成分構成や香りには大きな違いとなって現れることは決して珍しいことではありません。
画一的に大量生産された工業製品に囲まれて生活していると、こうした「不揃い」がつい気になってしまいますが、エッセンシャルオイルは農業製品であり天然の植物から作られる生産物なのですから、こうした違いがあることはむしろ「当たり前」のこと。
ですから、画一的な香りを求めるのではなく、その個体が持つ「香りの個性」を楽しんでいただきたいと思います。