オーストラリア産のラベンダーオイルの代表と言えるのがオーストラリア大陸の南に位置する「タスマニア島」で生産されるタスマニアンラベンダー。オーストラリアの中でもイギリスやフランスなどのヨーロッパの気候に近い地域で作られています。フルーラル感の強い香りが特徴。そのためフローラル感の源泉となるリナロールの含有量が比較的多いオイルです。同時にフランス産ラベンダーなどのに多い、香りの導入部にある「ツンツン」する香りが抑えられているため、香りの初端からフルーラルな香りで満たされることが世界的な高い評価へとつながりました。
一方でニュージーランド産ラベンダー。南島・クライストチャーチ近郊で生産されるこのラベンダーオイルはリナロールの少なさが特徴。そのためフローラル感は少なめですが、酢酸リナリルの含有量が相対的に多く、スッキリ・あっさりした香りに仕上がっています。
リナロールは優れた香りがある一方で、体質によってはアレルギー源となってしまうため、この成分が体質的に合わないという方も。そのためニュージーランド産のラベンダーは「低アレルギー・ケモタイプ」のオイルとして広く知られるようになりました。
近接するこの2国で作られた、対極的な香りのラベンダーオイル。『ラベンダーの香り』などという、大きな枠だけでエッセンシャルオイルを考えていると、その違いの大きさに絶対に驚きを隠せないことでしょう。